北区 マーケティング基礎調査

東京ふれあい医療生活協同組合

地域密着、在宅支援、自主活動。地域包括ケアの源流のような医療生協、半世紀に向けた新提案。



都電荒川線がゴトゴトと走る音を聞きながら、医療生協の方と一緒に商店街を歩くと、なじみの顔を見つけた魚屋のおじさんが呼び止めてきました。「朝飯は食ったか? ちょっと食べてけ!」と、ジャコがたっぷり入った炊き込みご飯をしゃもじでよそって、みんなの手のひらに振る舞います。「今度また一杯飲もうや」と、人懐っこい笑顔。街なかを少し歩けば、この医療生協の皆さんがどれだけ地域に密着しているか、身をもって感じられます。

北区梶原に本拠地を置く、東京ふれあい医療生活協同組合は、1970(昭和45)年に創立しました。
生協というと、一般的には、生鮮食料品などの宅配のイメージが強いですが、当時さかんだった生協運動の中には、医療や教育、文化などの分野においても生協を立ち上げる動きが数多く見られました。市民が「組合員」となって「出資」し、良質な商品・サービス等を共同で仕入れ、購入することで、生活を守り、改善していこうとする取り組み、と言えます。医療生協の組合員は、安心してかかれる医療生協のクリニックや診療所を持つことができ、そこでの健康診断や予防接種などを、組合員料金で安く利用することができます。現在、東京ふれあい医療生協の組合員は約17,000人、企業で言うところの資本金に当たる「出資金」は5億円を超えています。東京都内に、約20あると言われる医療生協の中でも、規模の大きい医療生協です。

その40年以上の歴史をたどると、最初は夜間診療だけを行うところから、商店街の中に常設の診療所を設けるようになり、その後、より大きな施設に移転していきます。北区だけでなく、近隣の荒川区や足立区においても、医療機関が局所的に少ない地域などに診療所を設置してきました。こうしたクリニックの開設と並行して、在宅での暮らしを支えるサービスを総合的に整えている点が、ここの大きな特徴です。訪問診療、訪問看護、訪問介護、訪問リハビリなどを一式整え、医師や看護師・介護士などが、日々、自転車に乗って、地域を行き交っています。

さらに2013(平成25)年には、19床のベッドを設置した、入院ができる診療所を商店街の中に新設しています。一見、在宅でのサービスと、有床の病院をつくることとは矛盾するようにも思えるかもしれません。ですが、その背景には、入院することで地域と離れてしまうことなく、地域に住みつづけたい、地元で死にたい、という住民からの声があってのこと。地域の人たちとの“百人会議”を繰り返す中から、入院のできるクリニックの創設という結論を導き出したという、そのプロセスにも、地域ととことん向き合っていくというスタンスが色濃く見られます。さて、医療生協には、こうした医療サービスの提供を「事業活動」と呼ぶ一方で、もうひとつの大事な活動として「生協活動」というものがあります。これは、健康づくりや介護予防など、組合員が主体的に取り組む活動を指しています。
医療生協では、これまで2,000人以上の組合員に向けて、がんや介護予防などをテーマとした保健講座・健康講座などの講座を行ってきました。その受講者が中心となり、体操や趣味の自主グループがあちこちで生まれています。こうしたグループの活動に対し、医療生協は資金的な面からも継続的に支援しています。

地域と向き合い、長い時間をかけて着実な成果を積み上げてきた東京ふれあい医療生協における課題のひとつが、自主グループの担い手が高齢化しており、若い世代に広がっていないことだと言います。

医療生協の活動は、いま、さかんに謳われている在宅での暮らしをいかに支えるかという課題への先進的な取り組みでもあり、そして、いま、各地で積極的に行われている介護予防リーダーの養成や自主グループの活動のモデルとなる取り組みでもあります。それを長年にわたって実践してきたわけですから、いわば、地域包括ケアの源流のような活動と言えます。自主グループの担い手が高齢化する中で、いかにして若い世代へとこのムーブメントを広げていくか、という課題は、とりもなおさず、地域包括ケアが解決していかなければならない代表的な課題そのものです。

築き上げてきた地域との関係性や信頼という“資産”を活かしながら、さらにもうひとまわり、新しい人を巻き込んでいくためのイノベーションを起こすことができるか。プロボノワーカーとともに、東京ふれあい医療生協の次の大きな節目となる「50年」に向けたヒントを模索していきます。

団体基本情報

団体名
東京ふれあい医療生活協同組合
活動開始時期
1970/昭和45年
代表者名
土屋 悟史さん
所在地
〒114-0004 東京都北区堀船3-30-16
ホームページ
http://www.fureaico-op.com

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チームメンバー

アカウントディレクター
藤田さん
プロジェクトマネジャー
竹内さん
マーケッター
木村さん
寺井さん
室田さん

進捗率
完了
進捗状況

最終更新 2018.05.14
2017.06.29

東京ふれあい医療生活協同組合さんの本部でヒアリングを実施しました。

2017.09.17

キックオフ事前ミーティングを実施しました。アカウントディレクターを除くメンバー全員が女性というチームで、終始和やかな雰囲気でミーティングが行われました。メンバー各々の経歴を活かせるプロジェクトになりそうです。

2017.10.16

キックオフミーティングを実施しました。初めて都電荒川線に乗ったというメンバーも多く、下町の雰囲気を感じながら東京ふれあい医療生協さんの活動拠点にお伺いしました。初めて詳しく知る「医療生協」の仕組みや歴史、下町情緒あふれるにエピソードにメンバー全員が身を乗り出して、熱心に聞き入っていました。支援先の皆さんのみなさんのご期待に応えられるかなという不安もありつつ、今後プロジェクトを通した新しい出会いに対する期待を持って、打ち合わせ場所を後にしました。

2017.10.16

キックオフミーティングの様子(2)

2017.11.15

活動現場見学・体験を実施しました。

2017.12.15

対象事業・商品・サービス等の現状把握を実施しました。

2018.01.14

調査方針提案を実施しました。プロジェクト開始からこれまで合計40名の組合員・非組合員に行ったヒアリングから得た生の声を団体の皆さんに届けました。ヒアリングの情報に加えて、外部の研究機関の調査資料から得た考察をもとに、団体の活動の意義や魅力、そして今後の課題を伝えしました。団体のスタッフから「ここまでたくさんの情報を集めて、まとめてくださり本当にありがとうございました。」といった声を頂きました。今後は、組合員を生協活動への参加度でセグメント分けしてヒアリングを行い、生協活動への参加の妨げとなる要因などを検証していきます。

2018.01.14

調査方針提案の様子(2)

2018.01.25

提案に対するフィードバックと承認を実施しました。

2018.02.28

個別ヒアリングを実施しました。

2018.03.28

ヒアリング以外の調査を実施しました。

2018.04.22

調査報告を実施しました。チームは、これまでのヒアリング結果を踏まえ、「若い世代の働き方や生活環境に合わせた仕組みを作る」、「理事長や支部長、班長といった役割を継続しやすい環境を整える」ことを提案しました。そして、「役割に定年制を設ける」「役割をより細分化・再分担することで、特定の人に重荷にならないようにする」といった具体的なアイディアを出しました。さらに、このアイディアをより確実に実行に移すため、プロボノワーカーがファシリテーターとなり、実際に生協活動に参加している人々を集めてワークショップを実施することになりました。

2018.04.27

報告に対するフィードバックと承認を実施しました。

2018.05.14

最終ワークショップを実施しました。東京ふれあい医療生協の生協活動に参加している人たちや、事業活動に従事している職員が一同に会し、新たな担い手が参加しやすく、長くかかわっていける環境を作るにはどうしたらよいかについてアイディアを出し合いました。参加者からは「役割を細分化する・文書に残す」「一人一役を担当する」「任期制を設ける」「働き方に合わせて参加しやすい時間にイベントを開催する」などの具体的な意見が出されました。今後、東京ふれあい医療生協ではこれらの意見をアクションに移すため、支部長会議などを開催する予定です。

2018.05.14

最終ワークショップの様子(2)

2018.05.14

最終ワークショップの様子(3)

成果

40名を超える対象者へのヒアリングから見えてきた、担い手が参加・継続しやすい工夫を提案

プロボノチームは約半年間にわたり、40名を超える東京医療生協の組合員・非組合員へのヒアリング調査やアンケートを行い、『生協活動』への参加のきっかけや、参加を妨げている要因、継続するうえでの工夫や苦労、楽しみなどについて幅広く意見を集めました。

この調査から浮き彫りになってきたのは、一部の主体性を持つメンバーに役割が集中している、役員が集まる会議の回数が多いと感じている人が多数いる、などの運営面での課題や、働き世代が集まりにくい時間帯に活動が実施されているといった企画面の課題でした。この調査結果から、チームは「各グループにおける役割を細分化し、文書に残す」「任期を設ける」「会議以外の情報共有の方法を試してみる」といった提案をしました。
これらを実行に近づけるため、『生協活動』の参加者約30名を集めたワークショップをプロボノチームと開催し、今回の調査結果を共有するとともに、参加者からも課題解決のアイデアを募りました。ワークショップ後、各活動グループで再度ミーティングが開催され、ワークショップの結果が共有されるとともに、具体的なアクションを実行に移すための計画づくりがスタートされる予定です。団体の担当者の方からは、次のような嬉しいコメントを頂いています。「このプロジェクトを通して、できていそうで、できていないことがたくさんあったことに気付かされ、今までにやっていなかったことをやってみようという気持ちになりました。たとえば、掲示するイベントのポスターの数を増やして目立たせたり、内容ももっと楽しいことを増やそうと思い大幅に変更したり、60歳代ピンポイントでチラシを郵送しお知らせしたり、といった工夫をしてみました。結果、イベントへの参加者が定員オーバーし、希望者を数名お断りするくらいの盛況で開催しています」


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