プロジェクト詳細
小金井市中央商店街協同組合
商店街のコミュニティの力を結集! 多世代がつながり合う新たな地域のあり方とは
戦前より80年近い歴史を持つ小金井市中央商店街協同組合。JR中央線武蔵小金井駅南口駅前から連雀通り前原坂上交差点に至る、小金井街道に面する200メートルあまりの地域に広がる会員数60店舗程度の商店街です。
「以前ならちょっと道に出ればいろいろな知り合いの顔が見えて、お互いにあいさつし合ったものだけど、新設の事業所は運営するスタッフも、利用者も顔が見えない。街の中であいさつし合える仲間を増やしていきたいんです」
商店街組合の理事長・斉藤さんは、この街の地域コミュニティの現状と課題を端的にそう表現しています。
この数年、街の再開発が進んで個人商店が激減し、代わりに介護・医療・保育施設などといった新しい事業所が目立つようになってきました。一見、駅前には大規模なタワーマンションやショッピングセンターができ、街はにぎわいを得たように見えます。しかし、実際は、お祭りがあれば地域の子どもたちが集まっておみこしを担いで、町全体が盛り上がる…そんな昔ながらの地域コミュニティは失われてしまったといいます。
そもそも、斉藤さんは、2011(平成23)年の東日本大震災をきっかけに避難後の地域コミュニティのあり方に関心を持ち始めました。
「大災害が起きたときに、この街に残された高齢者と主婦、そして子どもたちをどうケアしたらいいか。略奪などのトラブルが起きたらどうするか。有事の際に、地域の人々のライフラインを支え、商品を供給する役割をわずかでも残したい。そのために商店会ができることは何か。」
斉藤さんをはじめとする商店会のメンバーは、商店街のあり方を考え直し、新たな地域コミュニティをデザインするための模索を始めようとしています。
「モノを売る商人の集まり」から、「地域コミュニティの担い手」へ──商店街の新しいチャレンジが始まります。そのために必要なのが、現在商店街エリア(又は地域)の多くを占めるようになってきた介護・医療・保育施設といった新しい業種の事業所と、その利用者たちのニーズのあぶり出しです。また、この街に住む高齢者や子育て世代など、この街で暮らすたくさんの人々の声やニーズを拾い集め、そこから新たなコミュニティ形成に向けて、商店街ができることを探っていきたい。
今回、プロボノプロジェクトを通して、その新しいチャレンジに向けた大きな指標となる“まちの声”を探っていきます。
(本記事は2019年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- 小金井市中央商店街協同組合
- 活動開始時期
- 1950/昭和25年4月
- 代表者名
- 理事長 斉藤 浩
- 所在地
- 〒184-0004 東京都小金井市本町6-13-17 タカギビル303
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進捗率
進捗状況
事前キックオフミーティングを開催しました。 商店街が持つ問題意識を共有、まちづくりに関心の高いメンバーも多く、プロジェクトへの思いを新たにしました。
プレキックオフミーティングとして、商店街事務所を訪問し斉藤理事長から商店街の現状を伺いました。また、メンバー全員で商店街周辺を歩いて状況を確認しました。 商店街の皆様が様々な取り組みをされていることや、実際の街並みを知ることができ、その後のメンバーミーティングでは、活発な意見交換ができました。
活動現場見学・体験を実施しました。
メンバーミーティングを実施。キックオフミーティングに向けた調査方針の仮説を検討しました。商店街が地域で果たしていく役割案について、活発な意見交換ができました。
キックオフミーティングを開催。 斉藤理事長と商店街を長く支えて来られた大久保さんと、調査の要点・今後の進め方等につき協議し、商店街とプロボノメンバーの認識を共有しました。その上で、まず、地域住民の地域に対するニーズを調査を行うこととしました。
調査方針提案を実施しました。
インターネット等を活用して地域住民の地域に対するニーズアンケートを開始。12月13日までの約1ヶ月で約100件の回答を集めました。
商店街のメンバーにインタビューを実施。商店街内部の目線から、地域のコミュニティ形成に向けてできることや課題を伺いました
メンバーミーティングを実施。 中間ミーティングに向けて、商店街をとりまく内部・外部環境や、地域住民アンケートの整理結果、さらに商店街活動に活かせる地域コミュニティ形成の事例を共有しました。
斉藤理事長に、これまでの調査内容と課題を報告。最終報告に向けた今後の調査方針を協議しました。
最終報告に向けて、プレ報告会を行いました。 プロボノ側からの提案に対し、有識者の方から多くのアドバイスをいただき、議論が深まりました。
報告に対するフィードバックと承認を実施しました。
商店街の会員の皆様にご参集いただき、最終報告会と、今後の取組を皆で考えるワークショップを開催しました。 最後は参加者お一人お一人の取り組みを発表していただき、商店街が地域コミュニティのハブになれるように、気持ちを一つにすることができました。 皆様、大変お疲れ様でした。
成果
明らかになった、住民同士、事業者同士の「地域でのつながり」のニーズ。 商店街がつなぐコミュニティの実現に向けたきっかけに!
商店街が旗振り役となり、地域のみんなが安心して暮らせるコミュニティを形成したい。まずはその持続可能な施策を検討するための材料として、マーケティング基礎調査を行いました。
住民の潜在ニーズを確認するために実施したオンラインアンケートには、なんと100名を超える方々の回答が。その結果から、実は若年層においても「人とのつながり」へのニーズが比較的強いこと、一方で、高年齢層には「知識や知恵」を充足させたいというニーズにアプローチ出来る可能性がある事が分かりました。
さらに、まちへの関心が高い層には「災害時への備え」、関心が低い人も「趣味」を軸にすれば街の輪に引き込むことが出来る可能性が見えました。
併せて、商店街としてコミュニ形成を促進するためにどのような役割を担う可能性があるかを検討するため、会員及び非会員事業者へのヒアリングも実施。こちらも、実は事業者同士の関係性を強めたいというニーズがありながらも、高いに遠慮しているのでは、といった状況などが分かってきました。
小金井市中央商店街協同組合理事長の斉藤さんからは、「プロボノメンバーに入っていただくことで、普段会員同士では聞けない本音が聞けた。距離感が縮まり、次のステップの方向性が見えた気がする。」という言葉を頂きました。
最終提案では、今後のコミュニティ活性化に向けて、プロボノメンバーから複数の提案を行いました。
今後これらの内容を基に、小金井市中央商店街界隈のコミュニティがどう変わっていくか、その取り組みの実現が期待されます。
チームメンバー
- アカウントディレクター
- 大森さん
- プロジェクトマネジャー
- 竹内さん
- マーケッター
- 大木さん 河地さん 小林さん 薗田さん