プロジェクト詳細
NPO法人 関東シニアライフアドバイザー協会江東部会(江東SLA)
100歳になっても輝いて生きる!“ビバシニア”のモデル地域に向け次の展開へ。
江東SLAは、シニア世代の自助・自立の支援を目的として、東京都江東区で認知症カフェ「しゃべり場」などの運営を通し、高齢者同士の交流などを促す活動を行うグループです。2002(平成14)年に、シニアライフアドバイザーの資格取得者の集まりとして発足しました。
設立当初は、成年後見制度や年金に関する講座を開催するとともに、週1回、個人宅を開放して「土ようサロン」を開設し、認知症予防を意識した体操や学習会、脳トレなどを行っていました。
活動の転機になったのは、2010(平成22)年に半年の期限付きで、福祉会館を会場に相談窓口を開設したことです。それまで行ってきた講座や「土ようサロン」には足を運ぶことができなかった多くのお年寄りからの相談があり、様々な問題を抱えて自宅に引きこもっているという実態を目の当たりにしました。その後は、「土ようサロン」を「とまり木こうとう」と改名し、月1回のサロン運営と並行して、サロンの中に「シニアなんでも相談・とまり木こうとう」を開設し、対面と電話で相談会を続けています。
2016(平成28)年には、地区集会所を会場に、認知症カフェ「しゃべり場」を開設しました。それ以来、月1回、70代、80代を中心にした50〜70人を集めて、認知症の方を含めた地域の高齢者を元気にする場の提供を行っています。「しゃべり場」のプログラムは、体力づくりのための体操にはじまって、認知症予防の脳トレ、生活の中のお役立ち情報を参加者が伝え合う「知っとく情報」、専門家を招いた講座、そして会場にある舞台を活用した参加型の歌と踊り、最後に全員で「百歳まで輝いて生きる、ビバシニア!!」という雄叫びをあげて締めくくるというものです。年2回はカラオケ祭りを行い、年末には200人規模で「ほのぼのコンサート」も行っています。参加人数も年々増加し、男性の参加者も増えてきているといいます。
さらに2017(平成29)年からは、手作りサロン「和み」をスタート。月に一度集まって、着物の生地を再利用した手づくりポーチなどを制作しています。この活動は、高齢者にも経済価値を生む活動が大切だという考えから生まれたもので、できあがった作品は、「ほのぼのコンサート」で販売したり、「しゃべり場」の舞台で演じてくれた人への謝礼などに活用したりしています。
江東SLAは、5人の正会員と13人の協力会員によって運営されています。全員が女性で、一人ひとりの得意分野を活かして、パワフルに突き進んできました。現在は、月に各1回の「とまり木こうとう」と認知症カフェ「しゃべり場」に全力投球していますが、それらの場に参加することができない引きこもりがちの高齢者を、どうやって連れ出すことができるのか、次なるステップを模索しているところです。
そのための一つのアイディアは、現在の月に1度の活動に加えて、同じ会場で週2〜3回くらいの頻度、かつ、少人数でシニアの関心のあること、好きなことなどをテーマに開催する「コミュニティカフェ」(居場所づくり)の実施です。
「もっと気軽に外に出る機会をさらに多く設けることで地域のシニアがお互いに元気で生き生きといられるようにしたい」「日常の中の困りごとや悩みを気軽に共有して助け合える絆作りをしたい」という思いを実現するため、東京ホームタウンプロジェクトでは、「週2〜3回開催の居場所づくり」という次のステップの展開を支える運営体制の在り方や、必要な資源の検討など、実現可能性を高めるための道筋を共に検討することに取り組みます。
具体的には、これまでの実績・成果を改めて見直した上で、今後の展開に活かせる資源の洗い出しや、複数回開催を継続的に行うにあたって現実的な頻度、内容などの目標設定と、実施までのおおよそのスケジュールを明確にすることを目指します。
(本記事は2019年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- NPO法人 関東シニアライフアドバイザー協会江東部会(江東SLA)
- 活動開始時期
- 2001/平成13年6月
- 代表者名
- 町田ムツ子
- 所在地
- 〒136-0072 東京都江東区大島5−28−7 江東SLA事務局
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進捗率
進捗状況
全チームが集合し、オリエンテーションを実施しました。
キックオフ事前ミーティングを実施しました。
現場見学第一弾!午前中に開催されている手作りサロンの見学、午後は定例会にメンバーが同席させていただき、今回のプロジェクトの背景や、すでに団体内で決まっていること、問題点などの聞き取りを行いました。翌日お昼にはメンバー同士がオンラインで繋がりキックオフミーティングに向けた打ち合わせを2時間ほど実施。より詳細に把握しておきたい内容についての質問項目の精査を進めました。子供の発熱、予防接種など、不測の事態があれば、リアルミーティングをオンラインに切り替えるなど、臨機応変に打ち合わせ方法を変えながらメンバー同士の連携が進んでいます。
全チームが集まり、キックオフミーティングを実施しました。団体の皆さまのバイタリティとスマートさ、強い信念を持って活動されていることを感じながら、今後の道筋が見えた顔合わせになりました。
チーム内で早速、事業計画に必要なお金にまつわる区の補助金についてリサーチをしたり、ヒアリングのチーム分けなどを相談。23日に江東SLAさんへ、28日に区役所へのヒアリングを調整しました。プロボノ活動をしながら、チームメンバー同士の交流を目的に、メンバーのことをもっと知りたいプチ質問!もスタートするなど、チームビルディングにも工夫を凝らしています。
10月23日に江東SLAを訪問。新たな展開の事業計画に必要な組織図や必要経費、運営マニュアルに関する具体的な情報収集を行いました。
関係者ヒアリングとして新事業に関わる区の担当課を訪問しました。ヒアリングと並行して、ウェブでNPOの事業計画をリサーチしたり、以前の仕事で参考になりそうな資料共有などを進めています。
しゃべり場の活動現場見学を実施しました。開催頻度を上げて開催する新事業の対象が高齢者だけではなく、認知症の方や要介護者、そのご家族や専門職の方なども安心して集える場にしたいという話題に。地域には認知症カフェ、高齢者が集うしゃべり場、介護者も集うケアラーズカフェなど、実に様々な場づくりが展開をされていること、メンバーの知識も広がっています。
寝かしつけを終えてからの22時から、オンラインミーティングで中間提案前の確認を実施しました。チームが作成した事業計画書がそのまま、活動費用の助成申請などにもその後活用できるように、書式など、現実的な気配りが光ります。
提案ミーティングでは、団体の事業概要、組織体制、意思決定ルール、新事業の予算計画、運営体制、広報についてなどチームが61ページのスライドに丁寧にまとめた資料を元に、不明点を確認しました。「グッと形になってきた、本当に嬉しい、ありがとう」という団体の方からの言葉にメンバーもグッとこみ上げてくるものが。今日の2時間ほどのお話の中に「福祉施設の職員や認知症当事者のご家族だけが介護者ではなく、小学生から若い人、お年寄り同士まで地域の誰もがケアラーなんだ。専門職ではない私たちのような地域の住民だからできることがたくさんある」と、新事業の中心となる考えを改めて共有できました。
江東区の市民活動支援センターにて、最終提案を行いました。具体化された新事業実施にあたっての予算計画も踏まえ、実施スケジュールや運用の詳細についてディズカッションをしながら詰めていきました。細かなフィードバックを反映し、最終納品を行う予定です。
ママボノの成果報告会にて、プロジェクトの成果を発表しました。後半はチームメンバー同士でプロジェクトを振り返り、互いの健闘を称えあいました。
事業計画提案に対するフィードバックを反映した資料を持って、団体代表の自宅を訪問し、最終納品を行いました。
成果
新規事業の企画実施に向け、細やかに体制を整備。 さまざまな思いをひとつにまとめ、組織の可能性をひとつの形に。
新規事業、ケアラーズカフェ「じょんのび」の企画実施に向けて、予算計画、広報提案のほか、実際の事業運営にあたって必要となるボランティア運営のための募集要項、シフト表、緊急時対応マニュアル等々、パワフルなママボノメンバー一丸となって様々なツールを作成。補助金の獲得に向けた全面的なバックアップを実施しました。
赤ちゃん連れで熱心にプロボノに励むメンバーとの密な交流を通じて、団体内には新たな活力と、活動意義の再認識といった副産物も生まれました。
「このプロジェクトによって、私どもの組織体制も盤石になり、メンバーの意識の向上、さらに今後の活動に対しての意欲などが引き出されてきています」と団体担当者は言います。
代表のほか、団体のみなさんとママボノメンバー、そして赤ちゃんたちの年の差を超えた団結で、和気あいあいと笑顔があふれたプロジェクトとなりました。
-支援のその後-
「支援を受けた直後にコロナ禍となり、企画していた事業は頓挫してしまいましたが、異なるかたちで実を結び、結果的にはコロナ禍でも事業を拡大することができました」。そう語ってくださったのは、代表の町田さん。認知症カフェ「しゃべり場」やコンサート、手作りサロン「和み」も継続しつつ、新たに「ご近所ミニデイ」という週一回の集いの場をスタートされました。ボランティアの人数も増え、体制作りなどには随所にプロボノ支援時の成果物が役立っているようです。コロナ禍を経て、見守りや日頃のコミュニケーションの大切さを強く、強く実感。そうした思いや学びは、すべて日々の活動につながっているそうです。
チームメンバー
- リーダー
- 浅尾さん 多田さん
- メンバー
- 石原さん 川崎さん 小林さん 箕輪さん 我妻さん