プロジェクト詳細
榛名坂自治会
双方向のコミュニケーションができる環境を整え、“あると有難い”と思われるような自治会に。
小田急線鶴川駅から10分ほどバスに揺られ、車窓に木々の緑が増えてくると見える長い坂道が「榛名坂」。駅からの距離は隣の玉川学園前駅からも同じくらいですが、学園都市のにぎやかさとは異なり、閑静な住宅街のこのあたりは「榛名坂ヒルズ」と呼ばれています。その由来は群馬県・榛名山の中腹にある榛名神社。この地域には昔からその分祀が点在していたことから、榛名坂という名前が付いたといいます。1980年代後半から7年をかけて宅地開発された地域で、榛名坂自治会は、ほぼ同時期の1992(平成4)年に立ち上がりました。
榛名坂自治会の特徴として挙げられるのが、自治会役員は「1年ごとの任期制」であること。約380世帯を18班に分け、毎年、各班から1人ずつが役員として選出されるしくみです。今回、この東京ホームタウンプロジェクトに際して集まったメンバーは、現会長の大堀修さんをはじめ2017(平成29)年度の役員の方々、さらに2015(平成27)年度の会長・佐藤寛治さんと副会長・佐藤芳裕さんの姿も。それには、こんな理由がありました。
「2015年に私が会長をしていた時、当時の役員5人で『高齢者支援プロジェクト』を立ち上げました。比較的最近引っ越してきた方もいますが、私のように開発当時からの住民も多い。高齢化が進む中で、榛名坂を、『みんなが健康で元気に歳を重ねられるような街』にしたい。 素人の私たちにできることは何か。“あると有難い”、そんなふうに思われる自治会になろう、という話からこのプロジェクトが生まれたんです」と佐藤寛治さん。
5人は昨年度、まず地域の現状を把握しようと、住民アンケートを実施。その結果、この地域の高齢化率は約37%。町田市全体の約25%という数字と比べても、高齢世代が多く住んでいることが明らかになりました。さらに自由記述欄で、地域の中での課題、困りごとなどについてコメントを募ったところ予想以上に多くのニーズが寄せられ、中でも「雪かき」「コミュニティ形成」の2つに住民の不安が集中していることが見えてきました。
そこで、結果的に昨年は雪は降らなかったものの、自治会として対策を整え、来るべき時への備えはできました。そして今年度、引き続き取り組んでいるのが、2つ目のコミュニティ形成に関する部分。「地域の中の支え合いを進めていくためには、とにかく住民同士が知り合うことがポイント」と考え、バス旅行やデイサービスとの協働イベントを企画したり、防災や認知症サポートをテーマにした講義を開催するなど、住民同士の接点となるさまざまな活動を行っています。こうした機会に多くの住民に参加してもらうために課題となっているのが、その告知方法、住民との情報のやり取りです。
「住民と自治会、住民同士の双方向のコミュニケーションを、タイムリーにしていくにはどうしたらいいか。いわゆる回覧版も各班に対して1つだけなので、情報がすぐには全世帯にスムーズに伝わらない。防災訓練や草刈りがいつある、というのも皆さん一度見ても忘れてしまうことがある。現役世代にはスマホで情報を見られる方が便利ではないか…」と模索していた自治会の皆さん。そんな矢先、元副会長の佐藤芳裕さんが東京ホームタウンプロジェクトの説明会に参加してFacebookなどSNSに関する支援プログラムの話を聞き、これがぴったりなんじゃないか!と考え、自治会役員会に提案しました。
たしかに、SNSなら投稿やコメント機能でタイムリーな発信やコミュニケーションが可能で、イベント一覧を記載しておくこともできます。全世帯がFacebookアカウントを作成するところには少しハードルがありそうですが、それもスマホ教室など開催すれば、住民の交流機会にもできるかもしれません。手元の回覧板は残しつつ、オンライン機能が新たに加わることで、可能性が広がりそうです。
現会長の大堀さんがおっしゃるように「自治会役員は持ち回り。負担が増えないように合理化することが必要」といった配慮や、できるだけコストをかけない工夫をしながら、新旧メンバーが協力しあっている榛名坂自治会。地域をよりよくするためのアイデアが、また一つ、形になろうとしています。
(本記事は2017年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- 榛名坂自治会
- 活動開始時期
- 1992/平成4年1月
- 代表者名
- 大堀 修さま
- 所在地
- 〒195-0072 東京都町田市金井3丁目20−1
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進捗率
進捗状況
榛名坂自治会室にてヒアリングを実施しました。
事前オリエンテーションを実施しました。
事前にチームメンバーの何人かでミーティングを行い、確認事項を出し合いました。
当日をスムーズに進めるため、先に仮ページを作成するなど、準備を進めています!
当日オリエンテーションを実施しました。
プロボノワークを実施しました。
成果物の提案を実施しました。
支援先からのフィードバックを実施しました。
成果物の納品を実施しました。
成果
オンライン回覧板としての本格運用に向け、情報共有機能を果たしつつ、安全性をより考慮した設定や使い方を提案。
榛名坂自治会では、約380世帯を18の班に分け、それぞれの班で回覧板を回していますが、回覧に時間がかかり情報が行き届かない、という課題がありました。また、タイムリーに会員のニーズを拾いたいという要望もあります。それをかなえるための“オンライン回覧板”としての「Facebookグループ」の立ち上げにプロボノチームが取り組みました。本番当日までの準備活動中に自治会の皆さんとも相談し、今回は通常のFacebookページではなく、限定されたメンバーの中でより安全に情報共有ができるFacebookグループの作成が適していると判断しました。
1DAYチャレンジ当日、自治会からは10名が参加。まずはプロボノチームからFacebookで「できること」を説明していきます。自治会のみなさんからの「どうやって登録するのでしょうか」「自治会メンバー以外に情報公開したくない場合はどうしたらよいか」といった質問にプロボノメンバーが一つひとつ答えながら、自治会で運営するにあたり必要な機能などをヒアリングしていきました。
次にマニュアル作成に着手。市販のFacebookガイドブックも参考にしながら、メンバーで意見交換し、自治会で運営するにあたり必要だと思われる補足説明を記載していきました。1DAYチャレンジ当日中には、一般非公開の榛名坂自治会Facebookグループが立ち上がり、自治会のみなさんも早速アカウントを登録、Facebook利用がスタート。後日、編集が完了したマニュアルも納品しました。その後も、プロボノメンバーはしばらくは管理者としてFacebookグループに参加し、自治会による本格的な運用が始まるまでのサポートを続けています。
チームメンバー
- メンバー
- 松尾さん 三浦さん 水野さん 三冨さん 村上さん