小田急線狛江駅からバスで5分、都営住宅の棟がいくつも建ち並ぶ懐かしい風景の中にある小さな商店街。その中の一つが「デイサービスむべの会」。設立から15周年を迎えます。
小規模でアットホームなむべの会には、毎日10人前後が来所します。中には遠くから車で来る方もいらっしゃるなど、4、5年前までは申し込みが多くお待ちいただいたほどの人気だったそうですが、その人気の秘密は何でしょう?
「できるだけ細かいケアを心がけています。食事はすべて手作りです。一人暮らしの方が多いので、3食きちんと食べていないこともあるようで、ここではしっかり食べていただけるようにしています。一人でポツンとすることなくスタッフが対応するので、来て何もしゃべらないということはありません」とむべの会理事長の北村さん。
基本は、「楽しむ、食べる、しゃべる」。初めて来たときには食が細かったのに、しばらく通っているうちに驚くほど食べるようになった方もいらっしゃるとか。小規模だからこそ細かいケアができます。昨年からシャワードバス(座ったまま使える全身シャワー)も取り入れました。みんなで食事をして、片付けてから一緒にゲームをして、と一つのスペースを使っています。一つのスペースだからこそのアットホームさも、むべの会の魅力。テーブルを挟んだだけの近さでの会話は、耳が遠くなった方にもちょうどいい距離です。スタッフも、定年の65歳まで続ける方がほとんどだといいます。
そんな魅力満載のむべの会も、来所者が増えない状況は何とかしたい課題。理由は恐らくここ数年でデイケアが増え、紹介が減ったことではないかと思いながら、むべの会を見学してもらうのは狭さゆえに躊躇します。目に見えないコミュニケーションが売りのむべの会の魅力は、どうアピールできるのでしょうか。
将来の自分たちの居場所をという気持ちでボランティアで狛江市に掛け合い、行政の力を借りながらも仲間と立ち上げたこの会。「これまで順調に来すぎたかもしれません」と北村さん。
今の活動は外からどう見えているのか、これから何が必要とされているのか。介護保険制度変更のあおりを受け、小規模デイケアは岐路に立たされています。
明るいアットホームなこの「デイサービスむべの会」。活動を始めて15年が経つ今、次のステップへの展望をプロボノワーカーと共に描いていきます。
(本記事は2015年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
事前オリエンテーションを実施しました。
活動体験・現場視察を実施しました。
質問事項のリストアップを実施しました。
当日オリエンテーションを実施しました。
プロボノワークを実施しました。
成果物の提案を実施しました。
支援先からのフィードバックを実施しました。
成果物の納品を実施しました。
活動を始めて15年、これまでの自分たちの活動は外からどう評価されているのか、これから取り組んでいくべきことは何かを探るための今回のプロジェクト。事前調査も行ってきたプロボノチームは、当日も団体の皆さんへのヒアリングをスムーズに進めました。
「ホームページを作り情報発信をしたいけど更新できる人がいない」という団体のお悩みには「“更新しないチラシ”という考え方で、団体の活動内容がわかるページを一度作ってみてもよいかもしれない」と、チーム側から目からうろこのアイデアがあったり、「利用者のアンケートを取り、むべの会の良さを客観的にアピールしては」というプロボノチームからの提案には、「そういえば以前は取っていたこともあったけど、すっかり忘れていました。大切なことですよね」と、団体の皆さんもあらためて気づくことがたくさんあったようです。