プロジェクト詳細
NPO法人 武蔵村山ひまわり
作業所利用者が育てた野菜入りお弁当を、地域の高齢者へ。孤食を防ぎ交流も生み出す取り組み。
「豊かな労働と生活の場をめざして!」をキャッチフレーズに、2005(平成17)年6月にNPO法人として設立された武蔵村山ひまわり。もともとは障害のある子どもの親の会として発足し、法人化してからは福祉作業所「ひまわりハウス」とグループホーム「ひまわりホーム」を運営しています。障害を持つ方が、ホームに住んでいる人と通所してくる人の合計20名程度、さまざまな仕事をしています。
ひまわりハウスの活動のメインはお弁当事業です。食材の中の野菜は、施設の近くに持っている畑で、みんなで収穫したものです。作業所で働く利用者の皆さんは、絹さやの筋取りをする、お弁当におかずを詰める、配達する、など、職員のサポートを受けながら得意なことを分担しています。みんな仲良しで、定期的に行うカラオケなどのイベントは多いに盛り上がるそうです。
「ひまわり」のお弁当は日替わり弁当が税込450円。いろどりもあざやかな、ちょっと豪華な幕の内風のお弁当は680円と1000円があります。
武蔵村山市内では高齢者の「孤食」を減らすため、月に何度か、自治会などの集まりがあるときに、みんなで地域の集会所で食事をする取り組みが始まっています。そんなとき、日替わり弁当よりも少し奮発した、食べるのが楽しみになる680円のお弁当が活躍します。
お弁当を作った障害者の方々が「こんにちは!」とお弁当を届けると「ありがとう、今日も元気がいいね」と高齢者の方が返してくれます。「施設の利用者さんがお弁当を届けるという仕事をしつつ、地域の人たちと交流する。これも、事業の大切な目的なんです」と佐々木伸一理事長は語ります。
このほかに、武蔵村山市の市民総合センター内のカフェ運営も一部手掛け、そこでは接客をしながら、作業所の利用者の方々が手作りした手編みのマット、貝殻のキーホルダーなどの手芸品も販売しています。また市内の公園の管理などの作業も行っています。
こんなふうに多岐に渡る活動をする中で、佐々木さんは気になることがあるそうです。それは、武蔵村山市の急速な高齢化です。
「いま、グループホームの需要が増えてきていると感じています。背景としては、ご家族、障害を持つご本人とも高齢化が進んで、家族での支援が厳しくなってきているのです」
でも、「ひまわりホーム」のようなグループホームがあることは、まだまだ知らない人も多いようです。
「武蔵村山市内では、地域の居場所としてサロンをたくさん作る計画が進んでいます。いま、お弁当を自治会の集まりなどに届けているのと同じように、サロンへの配達もできるかもしれませんし、他にもお弁当をお願いしたいというオファーも頂いています。でもそうした営業活動をするにはきちんとした紹介資料が必要です。また、障害を持つご本人やご家族に『こうした施設があるんだ、相談に行こう』、『自分も作業所に通所して、みんなと働いてみよう』と思ってもらえるきっかけにしてもらうためにも、わかりやすいパンフレットの必要性を感じています」と佐々木さん。
お弁当の営業ツールにもなり、障害を持つ家族のみなさんに向けて情報を届けることもできるようなコンパクトなパンフレット。そうした団体の想いをくみとって、リニューアルしてくれるプロボノワーカーを求めています。
(本記事は2017年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- NPO法人 武蔵村山ひまわり
- 活動開始時期
- 2005/平成17年6月
- 代表者名
- 佐々木 伸一さん
- 所在地
- 〒208-0034 東京都武蔵村山市残堀1-28-3
- ホームページ
- http://www.himawarihouse.org/
- 解決したい課題別に探す
- カテゴリ別に探す
- 支援内容別に探す
- 地域別に探す
- プログラム別に探す
その他のプロジェクト
-
台東区 プロボノチャレンジ|マニュアル作成高齢者のITリテラシー向上を目指し、会の運営マニュアル整備で活動をよりアクティブに
-
東京都全域 プロボノチャレンジ|クラウド活用シニアにもっと笑いを! 人生100年時代、活躍はまだまだ広がる
-
新宿区 プロボノチャレンジ|印刷物新宿区4000人のシニアが集う高齢者クラブ。その魅力を伝える会話のきっかけをつくる!
-
瑞穂町 プロボノチャレンジ|印刷物たとえ小さなことでも、近所で困っている方の力になりたい。想いを実現していける仲間と共に!
-
東大和市 プロボノチャレンジ|印刷物地域づくりを私たちで終わらせてはもったいない!歴史・風土と共に、次世代に受け継ぐために
-
東京都全域 課題整理ワークショップ組織運営の悩みを引き出し・解決の糸口をアドバイス『プロボノ相談会』
進捗率
進捗状況
武蔵村山ひまわりにてヒアリングを実施しました。
事前オリエンテーションを実施しました。
質問事項のリストアップを実施しました。
活動体験・現場視察を実施しました。活動内容を詳しく団体の方にお伺いし、パンフレットの素材となるような写真等の用意も依頼しました。
当日オリエンテーションを実施しました。
プロボノワークを実施しました。
成果物の提案を実施しました。
支援先からのフィードバックを実施しました。
1DAY当日中にチラシ納品完了! チームは団体の活動を紹介する動画まで制作しました。
成果
団体の熱い思いを知ってもらうための工夫が凝らされたチラシが完成。
プロボノチームは、事前に武蔵村山ひまわりを訪問し、パンフレットのリニューアル案を作って1DAYチャレンジ本番当日に臨みました。当日のお昼ご飯には、団体の運営する作業所で実際に作られた「ひまわり弁当」を食べ、気持ちもお腹もいっぱいにしてプロボノワークを開始。チラシを通して団体が伝えたい思いや情報を整理しながら、事前に作成した案を修正していき、「武蔵村山ひまわり」の名前の通り、温かい色合いのパンフレットが完成しました。チラシ上では伝えきれない思いを知ってもらうためにホームページへ誘導するQRコードをつけ、実際に訪問してもらうためにわかりやすい地図を載せる、といった工夫が凝らされています。さらにもうひとつ、プロボノチームからの思いがけない成果物として、プロボノメンバーがスキルを活かして作った団体の紹介動画も納品され、大変喜んでいただきました。
団体の方からは、「短時間での構成変更に加え、マップの作成・QRコードの作成までしていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。今後、施設紹介とお弁当販売の営業時等に活用させていただきます。」といったお礼のメールをいただきました。
【支援のその後】
プロボノプロジェクトの成果物であるチラシは、現在、障害者福祉サービスの新規利用者向けに活用されています。施設利用を検討する方や特別支援学校の卒業生へ、年3回の地域のお祭りや施設見学時に配布。すべてがチラシによる効果と断言はできないものの、チラシ作成後、施設利用者は6名増加したそうです。
また、word文書で作成されたチラシは、簡単に手直しができることから、今後も施設の変化に合わせて活用し続けられることが特に有難いということです。資金や人出不足が深刻で地域包括ケアの推進にまで関われていないという現状がありますが、今後の目標として、地域に根付いた福祉作業所となることを団体として掲げています。
[2019年8月、津田塾大学 森川ゼミ・伊藤(由)ゼミの協力により取材]
チームメンバー
- メンバー
- 朝岡さん 稲畑さん 遠藤さん 田辺さん 東さん