さかのぼること、およそ20年前。武蔵野市による取り組みとして、住民主体でのつながりづくりを目的に各小学校区に立ち上がったのが「地域福祉活動推進協議会(地域社協)」です。
市内13地域のうち、JR中央線・三鷹駅の北側に広がる千川地域では1997(平成9)年6月、「千川地域社協」の活動が始まりました。現在会長を務める中里崇亮さんは、地元で親しまれている「延命寺」の住職さん。55人の運営委員も、長くこの地域に住まう方々が中心となっています。
隣近所での日常的な見守りから始まった千川地域社協の活動は年々広がり、いまでは折り紙やスポーツ吹矢、写経といったサロン活動に年間延べ600人以上が参加するほか、年に1度、9月に地域の小学校で開催される一大イベント「千川地域福祉まつり」の運営も担っています。
千川地域防災会との共催で実施するこの「福祉まつり」には、300人以上の住民が毎年来場し、防災体験等を中心とした催しで大いに盛り上がります。千川地域社協では、日ごろから小学校、地域の防災推進員、障害者施設、高齢者施設、PTA、老人会など、地域の様々な関係者と運営委員会を定期的に実施して情報共有を図っているため、こうしたイベント運営での連携もスムーズに実現しているのです。
「『福祉まつり』では、防災訓練として、初期消火訓練、車いす体験、防災グッズ確認などの項目をスタンプラリーで行って参加賞を用意したり、地域の親子にも多く参加してもらっています」と紹介してくれたのは、千川地域社協立ち上げ当初から運営に関わっている、川崎京子さん。
これだけ大きなイベントもしっかりと運営し、居場所づくりとしてのサロン活動も活発。それにもかかわらず頭を悩ませているのは、「千川地域社協の活動が知られていないこと」と、メンバーの皆さんは口をそろえます。
「福祉まつり」でも、千川地域社協の“のぼり”を立てて存在を知らせているものの、「このイベントを運営しているのがうちの団体だとはあまり意識されていないと思う」「そもそも千川地域社協が住民どうしの支え合いの活動をしていることも、伝わっていないかも」と、運営メンバーからは不安の声が寄せられます。
運営メンバーが次第に高齢化してきていることもあり、20年続いてきたこの活動を後世に受け継いでいけるのかと、危機感を募らせています。
「私のように、子どもが小学生以上になって手が離れ始めた世代にもっと関わってほしい」と話すのは、メンバーの中で唯一、40代の井口さん。千川地域で生まれ育ってきたからこそ、こうした地域の活動の大切さを改めて実感しているそうです。
もしかしたら、「千川地域社協の活動は地域で顔が広くないとできない」と思われているのかもしれないし、「地域社協」という名前から、「何かおかたい組織」というイメージを持たれているかもしれない。
しかし本当は、サロン活動の企画や福祉まつりも、40代、50代といった若い世代の意見も取り入れて柔軟に刷新していきたいと思っていることを、地域に向けて発信していく必要があります。
いままで、「私たちはこういう会です」と声高に発することはなかったものの、着実にこの千川地域のつながりを育んできた皆さん。控えめな一方で実は「これからも普段からの互いの見守りを大切にしたい」という熱い思いをお持ちです。今回、プロボノチームの後押しを得て、“千川になくてはならない、誰でも参加してもらえる活動”として、地域にアピールしていきます。
チーム編成を実施しました。
キックオフ事前ミーティングを実施しました。ママボノチーム7名。ついにプロジェクトがスタートします!
活動現場見学・体験を実施しました。
対象事業・商品・サービス等の現状把握を実施しました。
キックオフミーティングを実施しました。
千川地域社協に関わる様々な方々に対し、個別ヒアリングを実施。現在の活動の内容と団体の課題に対し、理解を深めました。
収集した情報のまとめと分析を実施しました。
ママボノ2018成果報告会に参加、プロジェクト報告を行いました。支援先への成果提案ミーティングを翌週に備えているため、それに向けたチームミーティングも実施しました。
成果提案ミーティングを実施しました。すでに案を確認いただいていたパンフレットを改めて細かく確認いただき、今後の活用に向けた提案も行いました。支援先の皆さんからは、とてもわかりやすいパンフレットになった、ぜひ活用したい、市内の他の地域にもご紹介して参考にしてほしい、などの声をいただきました。わずかな修正を加えて最終納品予定です。
提案に対する回答と承認を実施しました。今回、地域社協のみんさんと二人三脚で関わってくださった市民社協の方からも、ママボノメンバーに対する具体的な「特に良かった点」を改めて共有頂き、プロジェクトが無事終了となりました。