中野区 マーケティング基礎調査

東中野キングス・ガーデン

地域と共生する福祉施設が提案する、認知症のことを落ち着いて語り合える場所。



新宿から2駅の場所にあって、ひとたび駅を降りれば、落ち着く街並みが出迎えてくれる東中野。駅近くの路地を入っていくと、明るい暖色系の外装がやさしい雰囲気をたたえる東中野キングス・ガーデンにたどり着きます。完全バリアフリーの玄関口で靴を脱いで、素足で入ると、すぐにカフェ風のソファやカウンターがあり、その奥には人が集えるスペースがあります。

ここは一瞬どこ?という感覚になってしまうのですが、この建物の上階には、18人の要介護の高齢者が暮らすグループホームと、定員25人の小規模多機能型居宅介護施設があります。

この施設の魅力的なところは、施設の外観や内装というハード面だけでなく、施設を運営していく姿勢そのものにあるように感じられます。
2015(平成27)年にこの施設がオープンする以前から、地域の400人以上の人を内覧に招待するなど、地域との連携を強く意識した運営を心がけている中で、このスペースを活用した地域との交流を積極的に推進。そのために、地域との連携を専任で担当するコーディネーターを配置しているという力の入れようです。

この地域交流スペースを利用する人は、月に1,200人ほどに上ります。
利用する団体もさまざまで、子育て中のママが子どもを連れて集まる「べビママサロン」や、地域の町内会や敬老会の会合など、20団体以上がこのスペースを利用し、カレンダーは毎日なにかの用で忙しく埋まっています。

こうした中で、キングス・ガーデンとしては、福祉施設で自らも高齢者ケアに取り組む立場として、「ケアする人のケア」というテーマに主眼を置いた活動を推進しています。
その具体策が、キングス・ガーデン主催の行事として立ち上げた、がん患者やその家族が集う「がん哲学外来メディカルカフェ」、そして、認知症の人とその家族が集う、いわゆる認知症カフェ「オレンジカフェ とんぼ」です。

コーディネーターの奥山寧(やすし)さんは、2016(平成28)年にオレンジカフェが始まったばかりのころを振り返ります。「始まった当初は、スタッフだけが集まって、どうしようと悩んでばかりでした。数カ月して、いろいろな講師やゲストを呼び、イベント性を持たせることで、人が集まるようになってきて、いまは第1・第3水曜日の午後に、毎回のように来られる方もいらっしゃいます」

この居心地のよいスペースと、活発な活動。一見、何の苦労もないように見えるのですが、そんなキングス・ガーデンでも課題となっているのが、本当に必要な人に届いているのかどうか、という悩みです。

というのは、認知症をテーマとした講演や懇談会などのイベントには、一度に40人を超える来場者が集まります。ところが、相談会やカフェのような対話や集いの場になると、参加者はひと桁台ということもしばしば。常連のように足を運んでくれる人たちがいる一方で、イベントに来た人たちがカフェに定期的に足を運ぶには、どうやら、何かが足りない・・・。

「冷蔵庫の中に、同じものが山のように買ってある。その繰り返し。どうしたらいい? と、認知症の親を介護するなかで悩みを持つ人がいて、それに対して、私はこうしてるよ、とか、それはいいね、とか、情報交換ができるような場所のよさを、どう伝えたらいいか。介護をする人の中には、50代前後の女性も多くて、この年代は、情報を集めて自分で動けるフットワークの軽い人たち。きちんとした情報が得られれば、行ってみようかという気持ちになってくれるはずなんですけど・・・」と、オレンジカフェ とんぼの代表であり、地元の民生委員も務める岩田真由弓さんは言います。

来るべき人に届ききっていない。どうしたら本当に悩んでいる人を救えるだろうか。
東京ホームタウンプロジェクトでは、東中野キングス・ガーデンの取り組みを、本当に必要とする人に届けるためにできることを、プロボノを通じて調査・検討していきます。
この悩みは、きっと、東中野のことだけでなく、いろいろな地域が抱えている悩みと共通する部分が多々ありそうです。ここ東中野のローカルで得られる知見は、他地域にも活かせるヒントに満ちたものになるに違いありません。

団体基本情報

団体名
東中野キングス・ガーデン
活動開始時期
2015/平成27年3月
代表者名
清水 冬生さん
所在地
〒164-0003 東京都中野区東中野4−2−16
ホームページ
http://www.kg-tokyo.or.jp/

カテゴリ別に探す
支援内容別に探す
地域別に探す
プログラム別に探す

チームメンバー

アカウントディレクター
宮崎さん
プロジェクトマネジャー
大小田さん
マーケッター
海老名さん
西川さん
ビジネスアナリスト
横井さん

進捗率
完了
進捗状況

最終更新 2018.03.14
2017.06.27

活動拠点である東中野キングス・ガーデンにてヒアリングを実施しました。

2017.09.19

キックオフ事前ミーティングを開催しました。過去にプロボノを何度か経験されたメンバーと初めてのメンバーがバランスよく混ざったチームで意見を出し合い、今後のプロジェクトの方向性や成果物のイメージについて話し合いました。

2017.09.29

プロボノワーカー全員が参加して、支援先の皆さんとキックオフミーティングを行いました。

2017.09.29

キックオフミーティングの様子(2) 早速プロボノワーカーが作成してきた調査資料を説明したり、 施設内を見学しながら議論を深めたり、充実した2時間となりました。

2017.10.02

活動現場見学・体験を実施しました。

2017.12.08

対象事業・商品・サービス等の現状把握を実施しました。

2017.12.20

調査方針提案を実施しました。これまでの内部ヒアリングの内容をもとに、後半の調査の内容についてすり合わせをしました。認知症当事者のご家族により開かれた場所であるには、カフェがどんな人に利用してほしいのかをより強く打ち出す必要があるというチーム提案に対して、まずは団体内部であらためて今後の「とんぼ」の方向性を検討することになりました。団体側から「これまで団体内部でもじっくりと議論することができていなかった『オレンジカフェ とんぼ』の提供価値について、第三者も交えて冷静に議論する機会ができてよかったです。」といった感想を頂きました。

2017.12.20

調査方針提案の様子(2)

2017.12.31

提案に対するフィードバックと承認を実施しました。

2018.02.14

個別ヒアリングを実施しました。

2018.02.21

ヒアリング以外の調査を実施しました。

2018.02.28

調査報告を実施しました。チームは調査方針提案以降、ケアマネージャーや認知症ケアの専門家へのヒアリングや、他の認知症カフェの取り組みの調査を行ってきました。調査報告当日は、「オレンジカフェ とんぼ」に来てほしいターゲットを認知症当事者やご家族の心理的状況によりセグメント分けすること、ユーザー目線でプログラムを再検討すること、カフェを利用するメリットの伝え方などを提案しました。「とんぼ」の運営スタッフからは「これまでなかなか直接意見を聞くことのできなかった人々にヒアリングをしていただき、感謝しています。ターゲットを心理的な状況でセグメント分けする、ということは我々にとってとても新鮮でした」という感想をいただきました。最終ワークショップでは具体的なアクションと時間軸を、団体とチームで相談しながら決めていく予定です。

2018.03.07

報告に対するフィードバックと承認を実施しました。

2018.03.14

最終ワークショップを実施しました。最終提案の内容を踏まえて、「オレンジカフェ とんぼ」のターゲットの明確化や今後のアクションについてアイディアを出し合いました。

成果

利用者、民生委員、ケアマネジャーや認知症ケアの専門家まで幅広いヒアリングを通して課題を整理

プロボノチームは約6か月間、支援先団体が運営する認知症カフェ「オレンジカフェ とんぼ」の存在を、本当に必要とする人に伝えるためにできることを調査・検討してきました。

まず前半の調査では、カフェの利用者・運営者へのヒアリングを通して、カフェの利用目的やメリット、運用における課題を整理しました。後半では、地域のケアマネジャーや認知症ケアの専門家を訪問し、地域のニーズやほかの認知症カフェの取り組みなどを調査しました。これらの多数のヒアリングから、「オレンジカフェ とんぼ」に来ていただきたい人たちを、年齢や性別、職業などによって細かく分け、対象者を絞り込んだうえで、イベントの内容や告知方法を変えることが必要だということが見えてきました。そこで最終ワークショップでは、対象者の具体的なプロフィールを作成し、チラシなどの広報媒体における、カフェを利用するメリットの伝え方などを議論しました。

「とんぼ」の運営スタッフからは「これまでなかなか直接意見を聞くことのできなかった人々にヒアリングをしていただき、ありがとうございました。カフェの対象者をより細かく絞り込み、限定する、という発想は私たちにとって、とても新しい考え方でした」という感想をいただきました。


このページのTOPへ
このサイトについて個人情報保護方針お問い合わせ