プロジェクト詳細
鷺宮エリア介護ネットワーク
年に1度の「介護の日イベント」から広がる、高齢社会に対応した新しい地域の日常。
「介護ってなに?」「認知症ってどういうこと?」―― 高齢社会の問題が日々叫ばれる中でも、身近に当事者がいない若い世代を中心に、まだまだ、高齢者福祉の具体的な問題について知らない人が多くいます。
「いざという時になって急に慌てないように、早いうちから少しでも、介護のこと、認知症のこと、高齢者のことなどを知り、地域福祉に目を向けてほしい。そのきっかけを作りたいんです」
そう真摯に語るのは、しらさぎ桜苑(中野区で高齢者介護を提供する複合施設)地地域連携室室長の白岩裕子さん。
2013(平成25)年の冬にしらさぎ桜苑、そして地域福祉のための地域交流スペースができ、その翌年から、このスペースを活用して、介護の日の11月11日に合わせた「介護の日イベント」を行うようになりました。
趣旨に賛同してくれた地域のケアマネージャー、地域包括支援センター、社会福祉協議会などの中野区役所の担当者、さらには、地元の事業者さん、障害者ボランティア団体等と、どんどんそのネットワークを広げ、運営メンバーだけで50名、来場者も100名を超えるイベントに成長してきています。
イベントをきっかけに、日頃あまり馴染みがなかった福祉施設に足を踏み入れ、楽しんでいるうちに、自然に介護や福祉について触れている。そんなイベントになるように、紙芝居やマジックといった企画、物販も盛り込みつつ、介護機器の体験や、知識を得られる手作り動画の上映なども行っています。
会場では、実際にスタンプラリーをしながら全ての企画を回って帰る人が多いのだとか。
こうした地域の人たちとのふれあいが生まれていることもさることながら、実は、イベントを通じて地域福祉に関わる関係者が、楽しみながら横のつながりを深める場としても機能していることが、このイベントの大きな成果です。施設や組織の枠組みを超えて、地域づくりに関わる人の“結束力”が生まれているという実感があるといいます。一方で、今後も安定的にイベントを継続させていくためには、運営側もいかに楽しみながら参加できるか、また、忙しい時間を割いてでも運営に参加することのメリットをどう感じ、周囲に伝えることができるか、というのが現状の課題です。
既にイベントに関わってくれているメンバーの周囲の人たちや、これからイベントに関わっていってほしい地域の商店街や町会・自治会のみなさんに対して、具体的な波及効果のイメージを描きやすい形でイベントに関わるメリットをまとめること。それが今回のプロジェクトの目標です。
鷺宮地域包括支援センターの岩崎さんは、「この地域は若い世代の転入も多く、他地域に比べて高齢化率が高いエリアというわけではありません。ただ、集合住宅が多いエリアのため、一人暮らしで、家に引きこもりがちになってしまっている高齢者が増えてきているのでは、という懸念を感じています」と言います。
高齢者にとっても、若い世代にとっても暮らしやすい地域にするために、このイベントをきっかけとして、地元の人たちが少しずつ変わっていける。身近な地域やご近所さんとの関わりに目を向けられるようになる。そのためには、近隣の商店街や町会・自治会など、今まで以上に連携の輪を広げていきたいと白岩さんたちは考えています。例えば、「介護の日」のイベントをきっかけに、商店街の人たちが高齢社会への理解を深めていけば、高齢者に向けた新しいサービスが生まれたり、店頭での認知症のお客さんへの対応が変わったり、地域全体が高齢社会に対応したまちへと少しずつ変わっていくことにつながるかもしれません。
その可能性を広げていくために、5年目を迎える今年のイベントで運営者や参加者へのニーズ調査を行いながら、今後の継続的な運営に向けたヒントを探っていきます。
(本記事は2019年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- 鷺宮エリア介護ネットワーク
- 代表者名
- 白岩 裕子
- 所在地
- 〒165-0035 東京都中野区白鷺1−14−8 (しらさぎ桜苑地域連携室)
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進捗率
進捗状況
全チームが集合し、オリエンテーションを実施しました。
キックオフ事前ミーティングを実施しました。
月に一回開催されているケアマネジャーが集うランチミーティングの現場にメンバー3名が参加。介護の日イベントに向けた打ち合わせの様子を見学させていただいたり、今回のプロジェクトの窓口であるご担当者、関係者へのヒアリングを行い成果物への期待などについて情報収集を行いました。11日のキックオフミーティングに向けて、議論のたたき台となる質問出し、資料作成、役割分担など、オンラインを駆使して進行中です。
全チームが集まり、キックオフミーティングを実施しました。
初回の顔合わせ後、ヒアリングができたら良いと思われる対象者、目的、優先度などをチーム内で相談しつつ、これまでのお互いのコミュニケーションの中でツール活用の時間帯など、全員にとって気持ちの良い進行になるような調整も進んでいます。15日には訪問ヒアリングを実施。誰にどのように使うかの成果物活用のシーンや、介護の日のイベントの効能やそれを感じた具体的なエピソードなどの情報収集ができました。
個別ヒアリングを実施しました。
子どもの急病などもありつつ、メンバー同士のリアルミーティングを実施しました。成果物の項目を付箋に書き出しながらグループに分けて構成案を検討したり、分担を決めたり、着々と進行中。中野区の地域包括ケアへの取組みなどにも目を通したり、介護の日のイベントへの理解をより深めたり、資料に活用できそうなイラスト案を収集するなど、成果物につながるものへのアンテナ、高く伸びています!
初めてオンライン会話ツールZoomを活用し、11月5日の中間提案に向けたミーティングを実施しました。
中間提案を実施しました。
11月8日、9日の二日間開催される、介護の日のイベントにママボノチームも参加しました。一参加者としてイベントを楽しみながら、資料の作成に生かすため、当日運営に関わっておられる関係者、企業、施設の方などを対象にヒアリングを行いました。イベント後の反省会で、ママボノチームの参加がよかったと話題に上ったよ、とエピソードを共有いただき、良い成果物をお届けしたい!とチームの士気も高まっています。
これまでに提供いただいている資料、オンライン調査で得た素材、ヒアリング内容などを組み合わせながら資料作成の準備が進んでいます。介護の日を紹介するプレゼン資料に使用する素材も、なるべく雰囲気にあったものにしたい!とチーム内で相談したり、キャッチコピー案をメンバーで出し合うこと20以上。その中から絞った案を団体さんにも確認いただいています。
メンバーで集まり、営業資料ブラッシュアップを実施しました。
団体活動拠点を訪問し、最終提案と今後の活用に向けたワークショップを行いました。いくつか細かな修正について口頭で確認を行い、最終化のうえ、納品を行う予定です。
成果物の納品が完了しました。団体より「作成していただいたものを無駄にしないように、大切に発展させていけるように頑張ります。」との言葉を頂きました。
ママボノの成果報告会にて、プロジェクトの成果を発表しました。後半はチームメンバー同士でプロジェクトを振り返り、互いの健闘を称えあいました。
成果
暮らしやすい地域づくりに向けた「介護ネットワーク」。 新たな仲間との結びつきをより強める、温かみのある資料が完成!
地域で介護の携わる様々な立場の人が参加し、同じ課題意識を持って活動している「鷺宮エリア介護ネットワーク」。
より多くの人にネットワークに興味を持って参加してもらえるように、また、より参加してもらい易くなるように、と今回ネットワークでの取り組みの様子とそれらの活動の意義をまとめる資料を作成しました。
ママボノメンバーは、介護関係者だけでなく様々な事業者、団体、地域の方々など、どのような人にも分かり易く伝わり、また一生活者としてネットワークを身近な存在として感じてもらえるようにと、イラストのチョイス等にもこだわりました。
ネットワークの方々からは、「この資料を使えば、ネットワークの誰でも同じように活動を紹介できる」というコメントのほか、「この資料を活用して、鷺宮での介護ネットワークの取り組みを他地域にも紹介していきたい」という想いも語っていただきました。
チームメンバー
- リーダー
- 篠崎さん 古川さん
- メンバー
- 安藤さん 柏倉さん 鈴木さん 中村さん 野崎さん 舩木さん