プロジェクト詳細
NPO法人健康フォーラムけやき21
独自の筋トレなどで、地域の健康増進を目指すNPO。
外部の目で、中長期的な目標設定を。
世田谷区で“流行”している「貯筋(ちょきん)運動」をご存じですか?
スクワット、腕立て伏せ、腹筋の3種類の筋力トレーニングを中心に、転ばないための筋力をつける90分間のプログラムです。区内では現在25のグループ(貯筋クラブ)が、月に2回それぞれのペースで「貯筋運動」を自主開催。世田谷区の地図で「貯筋運動」の開催場所を見ると、活動の活発さがわかります。
「貯筋運動」のグループに指導者を派遣し、新しいグループの立ち上げをサポートしているのが、健康フォーラムけやき21。住民参加型の地域づくりと健康増進を目指して2005年から活動し、「食と運動」をテーマに食品ロス削減などの食育事業も行うNPO法人です。
せたがや元気体操リーダーと呼ばれる「貯筋運動」の指導者になるには、世田谷区保健センターが行う養成講座のトレーニングが必要です。1週間の日程で開催される専門的な内容で、これをパスしたリーダーの登録は現在66人。健康フォーラムけやき21は、159グループ(貯筋クラブ25グループを含む)に2015年度は、3294回のリーダー派遣を行いました。さらに、せたがや元気体操リーダーの指導技術のレベルアップや意識向上を目的とした「スキルアップ研修&交流会」を、世田谷区保健センターと協働で行っています。
一見、活動は順調のようですが、続けていくためには課題も見えてきました。まず、「貯筋運動」を行うグループの高齢化です。活動を始めたときは60代でも、現在の平均年齢は75歳。グループの運営を引き継いでほしい60代のメンバーが、なかなか集まってこないといいます。
「70代、80代は、『みんなで運動すると元気になれる』と、人と会うことも楽しみとして参加する人も多いのですが、団塊の世代の、とくに男性がなかなか増えないのです」と団体スタッフ。最近は「貯筋運動」をするよりも、機械を使った筋トレをするほうがいいと、スポーツジムを選ぶ人もいます。「もしかしたら、増えない原因はここにあるのでは」という話が団体内で出ることはあっても、なかなか整理できていないのが現状です。
一方で、設立から10年を過ぎ、団体スタッフの高齢化と後継者不足に対する施策が必要になってきています。また、事業の在り方も大きな検討課題。現在の事業の柱は、せたがや元気体操リーダーの派遣ですが、さらに次の事業を考えるべきなのでしょうか? それとも、比較的若い世代向けに「貯筋運動」を普及させるなど、参加者のすそ野を広げていくべきなのでしょうか?
「せっかくプロボノの皆さんにサポートしていただくなら、自分たちで行うことが難しい、事業計画立案の支援をお願いしたい」と、団体から期待が集まる今回のプロジェクト。現状の事業内容を見直しつつ、中長期的な目標設定ができるよう取り組んでいきます。
(本記事は2016年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- NPO法人健康フォーラムけやき21
- 代表者名
- 村上 秧子
- 所在地
- 〒156-0054 東京都世田谷区桜丘2−21−8 ビラ楓204
- ホームページ
- http://www.kenkoukeyaki21.com/
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進捗率
進捗状況
キックオフ事前ミーティングを実施しました。
「けやき21」様とプロボノチームとの初顔合わせとなるキックオフミーティングを行いました。 場所はオシャレなカフェが入っている下北沢駅近くのビルの一室。 初回から3時間を超える長丁場となりましたが、さすが普段から貯筋体操で鍛えている「けやき21」の皆さま、難なくお付き合いくださり大変ありがとうございました。 いきなり貯筋体操の効果をまざまざと目の当たりにして、改めて私たちプロボノチームも「もっともっと貯筋体操を広めたい」と意を新たにしました。 これから約4ヵ月間、よろしくお願い致します。
キックオフミーティングを実施しました。
活動現場見学・体験、及びヒアリングを実施しました。噂の貯筋体操も触りだけ体験。ラジオ体操より遥かにハードで90分したら筋肉痛になっていたかも、、、という内容だった様です。
中間提案を実施しました。チームメンバーからの問いに賛同する方、そうでない方、クラブの中にも多様な意見や見方があることが浮き彫りになりました。また、貯筋体操を実施する場所の課題について体育館を借りたイベント案がチームから出ると、それをきっかけに色々なアイディアを出して下さり、建設的な議論に盛り上がりました。(レポート:PM福澤さん、写真:AD荒井さん)
調査方針提案に対するフィードバックと承認を実施しました。
平山さんがヒアリングを実施しました。世田谷区内の貯筋クラブの代表者の方のお話を通じて、場所の確保の問題、貯筋クラブ間の交流、情報やノウハウの共有化など、様々なトピックにおいて有用な情報をお伺いできました。
メンバー全員集合にて、次の提案に向けた最終の意見交換、調整を実施しました。
ヒアリング以外の調査を実施しました。
基本方針提案を実施しました。?貯筋体操の認知を高める ?場所を確保する ?クラブの運営力を強化するの3つを通じて長期的なNPOの継続を目指す提案を実施しました。
貯筋体操クラブは各地域で活動拠点を持っていますが、実は町会との連携は特にないとの事で今後の連携について検討をしたり、開催の懸念材料となっていた会場問題について時間帯の見直しを通じて開催可能性の広がりなどについて議論しました。区内に25それぞれに点で活動している貯筋運動をどう面としていけるのかなど含め新たな課題についてまた、今後さらに深めて行きます。
事業計画提案を実施しました。貯筋体操の認知を高める、世田谷区内で活動されているクラブの運営力強化、新規クラブ開設が可能な場所の確保など3つの大きな方針について具体的なリサーチ情報や今後の実働に向けた参考情報、ステップなどをお伝えしました。おぼろげながら分かっていた課題が外部の視点から整理され、クリアになったことで、やはり、この課題に取りかからなくては!と次年度のとるべき動きが明確になったというコメントをいただきました。
成果
貯筋体操グループをつなぐイベント実施の提案が事業計画として採択へ。イベント準備のプロセスを通じ、広報ツールの作成、グループ同士の横の連携強化も目指す。
世田谷区内の地域づくりと健康増進を目的に、筋力を落とさない「貯筋運動」を進める自主グループに講師を派遣したり、食育活動なども展開するけやき21。設立から10年以上が経過し、世田谷区や外郭団体との強固な協力体制を築きながら順調に事業拡大を続けてきた、という強みを持つ一方、活動の担い手、参加者ともに高齢化していること、25グループまでに広がる自主グループ間の連携不足、代表に依存した運営体制についての課題がプロボノチームの聞き取りでも明らかになりました。
プロボノチームは、「貯金体操をやりたい人が増える」→「貯筋体操を楽しく続けられる」→「貯筋体操グループをやりたいという設立ニーズに応える」というストーリーをもとに、貯筋体操の認知度向上のための広報ツールの作成、参加率を見える化する貯筋通帳の運用、グループ間をつなぐ全体イベントの開催、クラブ運営のマニュアル制作・共有など、各ストーリーに必要な内容を提案としてまとめました。また、すでにあるグループの周囲にジムなどの類似サービスがあるかどうかを見ながら、それらと差別化が図れる開催時間の設定を提案したり、新規でグループを創設する際に最適と思われる候補地域などをリスト化し、提供しました。
その後、団体内部の検討の結果、平成30年5月頃に区内の貯金体操グループが一堂に会する全体イベントの実施がけやき21の事業計画の中に盛り込まれ、さっそく各グループの代表者間の話し合いの準備が開始されています。
また、イベント当日に各グループでの動きを全体で確認できたら、という発想から、貯筋通帳に代表される参加の見える化を可能にするツール作成・運用の検討をはじめ、誰でも使える貯筋体操を説明する動画、パワーポイント資料の作成など、イベント準備のプロセスの中に、プロボノチームからの各種提案の実現も組み込まれているそうです。
団体の各メンバーの中でも日常的な運営の中からこうしたい、あれがあったら、というアイデアは内在していましたが、外部のプロボノチームからの客観的提案との重なりがあった内容について、より内部での優先順位があがり明確な組織の目標として顕在化したようです。このプロジェクトを通じて、けやき21のメンバーの皆さん一人ひとりの意識が変わった、やる気になったというコメントを頂きました。
チームメンバー
- プロジェクマネジャー
- 福澤さん
- マーケッター
- 柏原さん 永松さん 平山さん 福島さん
- アカウントディレクター
- 荒井さん