プロジェクト詳細
社会福祉法人 こうれいきょう
住民の声は、このまちの声。地域の一員として、日々向かい合う社会福祉法人の姿。
大きな交差点と多くの飲食店の賑わい、頭上には高速道路と、都会のど真ん中といった印象の池尻大橋駅前。都内各所へのアクセスも便利で、若い世代に人気のまちである一方、「渋谷と三軒茶屋の間という土地柄、買い物や行政の手続きに歩いていくのはちょっと遠いし、新しいマンションの建設などでコミュニティがなくなり、高齢世代には住みやすいまちとは言えない」と話すのは、「こうれいきょう」スタッフの河野由香さんと河合靖子さんです。
2001(平成13)年に創設した社会福祉法人こうれいきょうは、現在、世田谷区池尻・三宿・若林地区の7つの事業所で、高齢者向けデイサービスや訪問介護事業所等の運営を行っています。
そうした介護保険事業に加えて取り組んでいるのが、要支援者や要介護者かどうかにかかわらず、近隣に暮らす皆さんに幅広く利用いただける「ミニデイ」「おでかけサポート」などの地域貢献活動です。
もともとこの活動を始めたきっかけは、施設にボランティアでお手伝いに来られていた方からの「この周りには何もないから、ここを居場所として地域の人たちと交流できないか」という一言からでした。
ミニデイ活動は月2回、「デイホーム池尻」の施設を利用して、みんなでランチをはさんでのおしゃべりの会を15年以上にわたり続けています。3時間の利用料は食事代も含めて1人400円。若者向けのカフェはあっても喫茶店はないこのエリアで、このランチ会は大変喜ばれ、利用者がお友達を連れてくるなどして、1回あたり30人ほどが参加しています。元気な高齢者の方が積極的に運営をサポートしてくれているそうです。
このミニデイ活動に類するものとして、国道246号線を渡った反対側にある「デイホーム三宿」でも、「よりみちカフェ」というランチの会を月2回開催しています。
ランチ会をあえて2箇所で行っているのは、広い道路を渡ってくるのが大変な高齢者もいたり、246号線をはさんで地域性が異なるという理由からです。
また、池尻地区では地域包括支援センターの運営も担う立場から、地域住民や商店・銀行といった事業者、民生委員などをまじえて“まちの困りごとを考える会”を定期的に行ってきました。
その中で、古くからあった大きな都営住宅の建て替えもあったことから、地域のつながりが薄くなり孤立する高齢者が増えている状況を何とかしよう、と生まれた活動が「おでかけサポート」です。近くに日用品が購入できるスーパーがなく買い物難民になりがちな住民のため、デイサービスの送迎車の空き時間を利用した外出支援を始めました。
「ボランティアの皆さんが心配な方に声をかけてくれて参加を募り、月に1回、10人前後で、最近は三軒茶屋に行くのが定番になっています。現地に着いたら、必要に応じてボランティアの方が歩行介助などをしながら、自由行動になります。『ソフトクリームを食べたいんだけど、一人じゃ恥ずかしいから』と楽しみに参加するようになった方がいたり、買ってきた野菜を住民どうしで分け合う様子も見られるようになりました」
さらに、主に一人暮らしの高齢者などに向けた世田谷区による配食サービスでは利用対象外となってしまう方や、家族と同居していても日中は一人で食事の用意が大変な方などに独自の配食サービスを行うなど、住民のニーズを丁寧にすくい上げてきた、こうれいきょうの皆さん。ところがこれまで、こうした地域貢献活動については、参加者による口コミのほかは、ほとんど広報してきませんでした。
「私たちは、規模は小さな社会福祉法人ですが、住民の皆さんの声を大切に考えています。地域には私たちのことを通所施設としてしかご存じない方も多いと思うので、どなたにでも利用してもらえる活動や場があることをお知らせしていきたい」
今後も、こうした取り組みによって住民どうしの交流の機会が増え、地域のネットワークづくりにつながることを目指し、事業者の肩書きを超えた地域の一員としての活動を、住民の皆さんに向けて発信していきます。
(本記事は2018年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- 社会福祉法人 こうれいきょう
- 活動開始時期
- 2001/平成13年
- 代表者名
- 近藤 みつる
- 所在地
- 〒154-0001 東京都世田谷区池尻2−4−26
- ホームページ
- http://www.koureikyou.jp/
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進捗率
進捗状況
事前オリエンテーションを実施しました。
インターネット調査を実施しました。
支援先団体をチームで事前訪問し、質問事項やチラシ作成にたいするニーズを確認。それをもとにパワーポイントやワードのテンプレートや基本的な構成をチーム内で確認しています。
プロボノワークを実施しました。
成果物の提案を実施しました。
支援先からのフィードバックを実施しました。
成果物の納品を実施しました。
成果
「地域住民の誰もが気軽に参加いただけるように」という目的を、使う言葉や見た目に凝縮して表現。チラシ表面・裏面の使い方の工夫で、手渡しでも掲示しても活用可能に。
介護予防事業とは別に行っている地域貢献活動(よりみちカフェ・ミニデイ・お買い物サポート)は、地域のどなたでも参加できるイベントですが、これまでは情報発信ができていませんでした。
そこで今回の成果目標は、地域住民の方々にその活動内容を広くお知らせし、気軽に参加いただけるようなチラシを作成すること。プロボノチームは事前にチラシ案を出し合って1DAYチャレンジ当日にのぞみ、「ランチ」「ミニデイ」「買い物」と、端的な言葉でそれぞれの取り組みを表現し、活動紹介は見た目にもわかりやすいように写真とイラスト、両方のバージョンを作成しました。今回のチームメンバーは高校時代の同級生4人で、こうれいきょうのスタッフの皆さんからも、「同級生どうしなので最初からチームワークが良く、このメンバーが来てくれて良かった」というコメントも。チラシはさまざまな用途で活用できるよう、両面使用、表面だけ使用、裏面だけ使用をうまく組み合わせて利用できるような工夫も施されました。また毎回変わるランチメニューなど、こうれいきょうのスタッフの皆さんが、今後内容を更新して活用できるような形で納品しました。
※本チラシ掲載の情報は変更になる可能性があります、ご了承ください。
チームメンバー
- メンバー
- 大羽さん 三浦さん 石原さん 佐藤さん