プロジェクト詳細
初台生活学校
歴史や経験を語り合うことで元気が生まれる。
テーマは、地域サロン活発化の仕掛けづくり。
京王線初台駅から徒歩数分、緑道沿いにある「初台青年館」を拠点に、1969(昭和44)年から活動を開始した「初台生活学校」。「生活学校」は、じつは全国に1000ほどの数があり、身近な暮らしにおけるさまざまな問題を、地域住民の視点から学び、調べ、行政などとも協力し合いながら、実践活動の中で解決していこうという地域活動。渋谷区に6校あるうちの一つが、初台生活学校です。
初台生活学校では、1988(昭和63)年より初台周辺地域の高齢者の交流の場として食事会を行っています。他にも開催時期はさまざまですが、お茶飲みサロンを開催したり、フリーマーケットや地域イベントに参加したり、食品ロスの削減運動、大気汚染の測定など、生活学校の中で多様な自主活動が存在し、それぞれ活発な活動を行っています。何でも興味を持ち、学習することが大好きな皆さんです。
その中でも最近の活動として、自主活動の一つである「ゐどばた’04」では、地域に住む高齢者の戦時体験をまとめた冊子を2004(平成16)年から約10年かけて自費制作。2015(平成27)年3月、ついに完成しました。
「きっかけは、地域の子どもたちに戦争のときのことを話してほしいとリクエストをもらったことでした。戦争を体験した世代が高齢化していく中で、戦時体験、しかもそれを女性や子どもの視点から伝えるものを残そう、と結成されたのが“ゐどばた”です」
冊子の制作にあたっては、約100人におよぶ高齢者の方々とおしゃべりをしながら、丁寧に生の声を集め、アンケートの記入をお願いしてきました。その過程では、思わぬ成果もあったそう。
「戦争のときのことを話し出すと、かなり高齢の方でもお話が止まらないし、自分の歴史を振り返って書いてみたい、という方がいたり、できあがった冊子を読んで長いお礼状や感想を書いたお手紙を何通もいただいたり。昔のことを思い出し、語り合い、人に伝えることが活力になるんだと、事前には思い当たらなかった発見でした」
ちょうど初台生活学校全体としても、地域内で独居高齢者や高齢者のみの世帯が増加していることから、そうした家に閉じこもりがちな人が外出したくなるような仕掛けはないか、と考えていたところ。“ゐどばた”で制作した冊子の内容を、現在行っている食事会やサロンでも使えるようにコンテンツ化すれば、会話のよいきっかけになるし、新しい参加者が増えてサロン自体も活発になるかもしれません。
「冊子だとどうしても読んでしまい会話が始まりにくいので、スライドで映せて、目で見てぱっとわかるような資料があったら嬉しい。たとえばクイズが入っているなど、食事会やサロンの参加者が楽しめるプログラムにできたら」と、イメージが膨らみます。
できることなら資料の作り方も学びたい、と意欲満々のメンバーの皆さんと一緒にどんな成果を生むことができるか、1DAYチャレンジ当日が楽しみです。
(本記事は2015年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- 初台生活学校
- 活動開始時期
- 1969/昭和44年
- 所在地
- 〒151-0061 東京都渋谷区初台 1-33-10
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進捗率
進捗状況
事前オリエンテーションを実施しました。
チームミーティングを行い、各自が調べた情報を共有したり、今回の成果物のゴールを確認しました。再来週末には現場訪問を予定しています。
チームリーダーが現場訪問し、団体スタッフの皆さんとのミーティングに出席。チーム内で挙がった質問項目などもその場で確認できました。
チームメンバー数名で、地域で行われているバザーを見学しました。
当日オリエンテーションを実施しました。
プロボノワークを実施しました。
成果物の提案を実施しました。
成果物の納品を実施しました。
成果
冊子をビジュアル化し、よりみんなに見てもらえる、展開しやすい資料を作成
地域高齢者から声を集め、10年かけてまとめた戦争体験についての冊子をビジュアル化するのが今回のお題。プロボノチームは、「目を引いて興味をもってもらえるような、アニメーションなどの仕掛けがほしい」という団体側の希望を取り入れながら、当日はパソコン3台を駆使してテキパキとメンバーで作業を分担し、パワーポイント資料を完成させました。
団体の皆さんと相談しながら資料を作る過程では、戦時の話やこの冊子についての思いを伺い、プロボノメンバーにとっても実りの多い時間に。今回作成した資料は今後、初台生活学校で行っているお茶飲み会や食事会をより活発化するコンテンツとして、活用していただく予定です!
【支援のその後】
戦争を経験した高齢者だけでなく、小学生の子どもたちに戦争に関する教育をする上で、パワーポイントを使うことはとても効果的でした。プロボノの支援で音声を入れていただき、元のスライドがさらに生きるようになったと思います。しかしプロボノさんが持っている技術を私たちでもわかりやすいように教えてくださったり、事前事後の擦り合わせをうまく行うことができれば、さらに良いものが共に作れたと思っています。今後は完成した資料を小学生をはじめとする子どもたちに伝える活動を積極的に行なっていきます。
[2019年8月、津田塾大学 森川ゼミ・伊藤(由)ゼミの協力により取材]