プロジェクト詳細
けめカフェ
孤立を防げ! 住民参加型で取り組む多世代交流とつながりづくりとは?
2018年に品川区の住宅街に誕生した「けめともの家・西大井」。ガラス張りの明るいエントランスが印象的なこの施設は、要介護認定を受けている高齢者を対象とした介護・看護スペース(看護小規模多機能型居宅介護ホーム)と、0〜2歳児を預かる保育所(企業主導型保育事業)を一つ屋根の下に併設し、多世代のつながりを大切にする空間を提供しています。
「けめともの家」を運営する株式会社ケアメイトの代表取締役である板井さんは、以前から、高齢化が進む東京都市部において人のつながりの希薄になってしまっていることを目の当たりにし、課題を感じていました。また、問題は高齢者に限らず、子育て世代の孤立も叫ばれており、子育て世代に対しても何らかのコミュニティー形成、参加を促進していくことが必要だと考えてきたそうです。そこで、“お互いさま”の活動や、多世代のゆるやかな連携を作っていくことができないかと、会社としての取り組みとは別に生まれたのが「けめカフェ」としての地域活動です。ケアメイトが運営する介護事業所のスペースを活用し、地域の誰もが参加できる交流イベントを、2015年から開催してきました。
当初は、月一回のペースで介護や子育てに関する講座や、子ども食堂などを開催してきましたが、コロナ禍もあり、現在は活動が縮小。人が集うことが難しいため、「フードパントリー」や、食べ物に限らない個人がお持ちの使用していないものを提供してもらい、それを必要な方に持ち帰っていただく「大事なものパントリー」を数カ月に一度開催している状況です。
とはいえ、なんとか人のつながりを感じられる場をつくりたいと、オリンピックをオンライン上で集まって応援する企画なども実施。秋には、感染対策を講じたうえでのハロウィンイベントも企画中です。
現在の課題としては、品物をお渡しするだけの「パントリー」では、子ども食堂のように利用者の方とゆっくりお話をすることが難しいため、何か困ったときに安心して相談いただけるような関係性が築きづらいことがあります。そのため、少しでも開催頻度を上げることで、参加者と顔見知りになり、信頼関係を築いていきたいと考えています。また、引き続き感染対策が必要ななかでもできる多世代交流の取り組みについても検討していきたいそうです。
<プロボノプロジェクトの内容>
そこで、今回のプロボノプロジェクトでは、現状の課題を振り返りながら、多世代交流や地域で孤立してしまっている方を含めたつながりづくりにおいて、今「けめカフェ」が求められていること・できることを整理します。また、活動拡大の検討をするにあたり、より地域住民の方々を巻き込み、運営側にも加わっていただきながら住民参加型で活動を盛り上げていく方法についても考え、「けめカフェ」のみなさんと一緒に“次の一歩”を導き出します。
(本記事は2021年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- けめカフェ
- 活動開始時期
- 2015/平成27年4月
- 代表者名
- 板井 佑介
- 所在地
- 〒140-0015 東京都品川区西大井2-4-14
- ホームページ
- https://www.facebook.com/kemecafe/
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進捗率
進捗状況
全10チーム合同で事前オリエンテーションを実施しました。オンラインでチームメンバーの顔合わせを行い、支援先団体の事前情報の確認や、本番当日までの準備の進め方などについて話し合いました。
ライフシフトセミナー&チームビルディングを実施しました。チーム内で自分年表を共有し合い、それぞれの人生の歩みや経験などの相互理解を深める機会となりました。
チームミーティングを実施しました。本番までの進め方や事前ヒアリングの内容を確認。チームメンバーが個々にけめカフェ周辺の散策・視察も行うなど、積極的に理解を深めています。
支援先団体へのヒアリングを実施しました。
支援先団体へのヒアリングを実施しました。
チームミーティングを実施。ヒアリング内容を振り返りながら、本番ワークショップの内容や進め方について検討しました。
チームミーティングを実施し、本番ワークショップの具体的な内容や分担について決定しました。
プロボノチャレンジ本番を実施しました。「けめカフェ」が地域の多世代交流の場としての活動を発展させていくために、ワークショップを通じて課題を整理し、今後のステップを検討していきました。
ワークショップでは、「けめカフェらしさ」について考えながら、活動の目的や対象者、目標などを言語化。それらを基に、チームからは1年後・3年後・5年後の目標と、それに向けて明日からできることについて、具体的な施策の提案を行いました。
プロボノチャレンジに取り組んだ全10チームがオンライン上で集まり、成果報告会を実施しました。
成果
けめカフェ「らしさ」を可視化し、活動拡大のステップを提案
プロボノチームは本番までの1カ月間、代表の板井さんとスタッフの方々へのヒアリングに加え、周辺視察やハロウィンイベントの見学を実施し、課題を整理。「けめカフェ」のマンパワー不足を解消し活動を拡大していくためには、まず「けめカフェらしさ」を言語化し、ボランティアスタッフを募集しやすい土台を作ることが必要だと考え、本番のワークショップに臨みました。
本番当日は、ユニークな動物カードを使った「らしさ」探求をした後、活動の目的や対象者、将来像などについて、事業者であるケアメイトとの違いと合わせて整理しました。
その後、プロボノチームのみで、将来像に向けた1年後・3年後・5年後の目標と、明日からできることを検討し、提案。ボランティアとして参加してくれる人を増やし、しっかりとつながっていくための具体的な施策を提示しました。
支援先のみなさんからは「活動について整理する機会をなかなか持てないので、一緒にわかりやすく言語化してもらえてよかった。自分たちの目指していることをツールなどでちゃんと伝える必要性にも気付けたし、仲間を増やしていこうという意識もあらためて持つことができた。本当にありがとうございました」とコメントを頂きました。
チームメンバー
- プロジェクトマネジャー
- 福井さん
- メンバー
- 松本さん 安永さん 鈴木さん 新井さん