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    プロジェクト詳細

    新宿区 印刷物(パンフレット等)

    若年性認知症家族会・彩星(ほし)の会

    家族会だからこそのほっとできる場。共感の輪を広げて、さらなる活動の充実へ。



    若年性認知症とは、65歳未満で発症する認知症のことです。厚生労働省が2009(平成21)年度に実施した調査によると、全国に約38,000人が症状を患っていると報告されています。しかしながら、その実態はまだ十分に把握されておらず、2018年現在、新たに3年間をかけて全国の若年性認知症者の実態調査を推進している最中にあります。

    まだ認知症という言葉自体が一般化していなかった2001(平成13)年、日本で初めて立ち上がった若年性認知症の家族会が、「彩星の会(ほしの会)」です。

    仲間数名でスタートしたという彩星の会は、次第に規模を広げていき、一時期は200名を超える人が参加していたこともありました。最近、会員数は若干の減少傾向にありますが、それは、会の活動が停滞したからではなく、地域ごとに認知症の家族会が広がっていることの証であり、いまでは東京都内に10ヵ所前後の家族会があると言われています。身近な地域に若年性認知症で悩む人のネットワークが徐々に広がりを見せているのです。

    これら家族会の中でも特に規模が大きい彩星の会では、そのネットワークを生かしたプログラムを実施しています。

    2ヵ月に1回開催される定例会。奇数月の第4日曜日の午後に開かれる会合には、50人前後の家族と10人前後の当事者本人とが集まり、家族交流会と本人交流会が2部屋でそれぞれ同時進行していきます。家族交流会では、講演会やパネルディスカッションに加え、参加した家族どうしの意見交換の場が、本人交流会では、ゲームや散歩などのプログラムが企画されています。
    交流会が終わった後の二次会や年1回の1泊2日の旅行企画なども、家族どうしが交流しながら、気晴らしや発散もできる貴重な機会になっています。
    さらに、会では、電話による相談を週3日受け付けています。年間50件を超える相談に親身に応えており、ここに電話するとほっとする、という声をいただくことが多いと言います。

    「ほっとする、ということに加えて、専門的な解決策を出せるようなサポートをしていきたい」と言うのは、代表の森義弘さん。交流会でも電話相談でも、より専門性のある人からのアドバイスや意見をいただくことで、家族の不安解消や、次のステップとしての解決策の提案などにつなげていくことができると考えています。
    「いま現在、ボランティアで協力してくださる先生が数人いるが、もっと幅広い専門家の人たちにこの会にかかわっていただき、医療機関では受けられないようなアドバイスなどを受けられるようにしていきたい」と言います。

    彩星の会に集まる家族のみなさんからは、身近な医療機関では、忙しい先生ばかりでゆっくり対応してもらうことは難しく、若年性認知症に関する理解も必ずしも十分でない、といった声が集まります。家族会があることで、認知症への十分な知識を持った専門家の協力を得やすくなり、当事者家族に対しても貴重な情報を届けることにつながっています。

    また、会員のなかには、所定の会費に加えて、寄付をしてくれる人がいます。
    会員の種別のひとつである「賛助会員」は、もともと若年性認知症の家族を持っていた会員のうち、パートナーと死別したあとも継続的に会に関わり続けたいという思いで会員であり続ける人たちのことです。
    こうしたボランタリーな支援が集まる彩星の会ですが、財政状況は厳しいのが現状です。専門家によるボランティアや寄付などの支援がより多く集まるようにできれば、彩星の会の活動の質が向上し、そこに集まる家族・当事者へのもう一歩進んだ支援が可能になるはず。

    そこで、東京ホームタウンプロジェクトでは、彩星の会の意義やニーズを明確に伝え、さまざまな共感者を募って会の活動をさらに充実させるようなパンフレット制作にチャレンジしていきます。

    (本記事は2018年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)

    団体基本情報

    団体名
    若年性認知症家族会・彩星(ほし)の会
    活動開始時期
    2001/平成13年9月
    代表者名
    森 義弘
    所在地
    〒160-0022 東京都新宿区新宿1-9-4 中公ビル御苑グリーンハイツ605
    ホームページ
    http://hoshinokai.org/

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    進捗率
    完了
    進捗状況

    最終更新 2019.04.27
    2018.10.04

    キックオフ事前ミーティングを実施しました。

    2018.10.19

    キックオフミーティングを実施しました。団体の方が用意してくださったサンドイッチとお菓子を頂きながら、夜遅くまで議論しました。今回制作するパンフレットに関連した情報収集のため、会の会員に対するアンケート調査を実施する方向で合意。アンケートの内容や回収率を上げるための回答方法の検討など、さっそく具体的なプランニングに取り掛かっています。

    2018.11.02

    アンケート調査実施のため、団体側とチームのマーケッターで打ち合わせを実施しました。

    2018.11.13

    会員へのアンケート調査内容を団体側とチームのマーケッターで最終打合せし確定しました。彩星の会会報に同封し、11月末頃まで回答を受け付けるそうです。

    2018.11.16

    団体スタッフの方にヒアリングしました

    2018.11.19

    新宿区職員の方にヒアリングしました

    2018.11.25

    彩星の会会員の定例会にプロボノメンバー3名で参加しました。

    2018.11.25

    個別ヒアリングを実施しました。

    2018.12.12

    マーケティング戦略提案に向けてチームMTGを実施しました。制作するパンフレットのコンセプトを2案、提案する方向で調整しています。

    2019.01.15

    マーケティング戦略提案を実施しました。プロボノチームが作成し「彩星の会」を通じて会員のみなさんに実施したアンケート結果や、12人の方々へのヒアリング結果を支援先団体に共有。会員の方々は「彩星の会」の活動に対して信頼性や満足度が高いことをまずお伝えし、会の運営への協力を呼び掛けていくことも可能では、といった話がチームからありました。また、今回のテーマであるパンフレットの方向性については、チームから2案を提示。これから会のコアメンバーの皆さんで話し合うため詳細は伏せますが、彩星の会が持っている若年性認知症を含む認知症そのものについての知識、ノウハウ、そして会員からの満足度も高い実績といったことを活かしていけるのではないかといった提案がチームからあり、彩星の会のお二人からは「今日は本当にいいお話を聞いた。沢山の新鮮なヒントをいただき本当に嬉しく思っております。 視野が広がった気がしています」とコメントを頂きました。

    2019.02.11

    提案に対するフィードバックと承認を実施しました。支援先からのフィードバック内容を検討し、これからチームMTGを実施します。

    2019.02.18

    制作プラン策定・構成設計を実施しました。

    2019.02.25

    制作プラン提案を実施しました。

    2019.03.08

    クリエイティブ提案を実施しました。

    2019.03.13

    チームからの提案について、支援先団体からフィードバックがありました。

    2019.04.01

    支援先団体との最終MTGを実施しました。若年性認知症の家族の方の物語を冊子にまとめるプロジェクトを立ち上げることを決め、プロボノチームはその制作費用を寄付で募っていくためのパンフレットを制作。彩星の会の方からは「このプロジェクトがなかったら、冊子制作も実現に向けて動き出さなかったかもしれない。本当にいい機会を頂いた」とコメントを頂きました。パンフレットはこのあと完成に向けた仕上げ作業にはいります!

    2019.04.27

    パンフレットの最終データを納品、チームは印刷部分のサポート対応も行い、無事プロジェクト完了となりました!

    成果

    団体の強みを明らかにしたプロボノチームの後押しにより、冊子制作に向けて一歩踏み出すことを決断。寄付というだけではない、メッセージ性のあるパンフレットが完成。

    若年性認知症の家族会という団体の性質上、継続的な活動運営・情報発信のための安定的な資金調達が課題となっていた「彩星の会」。寄付を募るためのパンフレット、が今回のお題となっていました。

    寄付獲得のためには、団体の活動価値をわかりやすく伝える必要があることから、プロボノチームはまず団体の内外の関係者へのヒアリングと、団体の会員となっている方々へのアンケート調査を実施。その結果、家族同士が本音で語り合える「信頼性」があること、地域を限定せず参加でき各地の医療関係者ともつながりが広いこと、認知症に関する情報やノウハウが充実していること、といった団体の強みが見えてきました。

    チームは、こうした強みを生かして、もっと積極的に認知症に関連する講演・研修などを行うことで資金獲得していく方向性のパンフレットでもよいのでは、という提案も行いましたが、講演を行う人材不足などもあり今すぐ本格的には着手できない、という判断に。
    しかしながら、チームからの提案内容は大変刺激的だった様子で、「新しい提案を頂けてすごくうれしかった、こういうやり方があるのかと感激した」「たくさんのヒントをもらい、視野が広がった」という声を団体さんから頂きました。

    そうした話の中で、「2021年に団体の設立20周年を迎えるにあたり、じつは温めていた構想がある」という相談が団体さんのほうからありました。「彩星の会」が発行している会報のコンテンツの一つで、若年性認知症を家族に持つ方々の紀行文「人今人(ひといまひと)」。これまでの蓄積が約100にも及ぶこの紀行文をいつか1冊の本にできたら、と思っていた、と言うのです。これまで、その制作を実行に移すかどうか決められていなかったということですが、プロボノチームからの刺激的な提案を受けて「せっかくの機会だからやろう!」と決断。

    それを受けてプロボノチームは、「百の家族の物語」と題した、この冊子制作プロジェクトを大きく打ち出し、その制作費としての寄付を募るパンフレット構成を提案。彩星の会だからこそ持っているこのコンテンツの魅力、さらに講師派遣の活動などについても盛り込んだパンフレットを完成させました。単に寄付を募集するのみならず、団体の応援者を増やし、若年性認知症への理解を広める可能性を秘めたパンフレット、今後の活用が期待されます。

    2019.08.02

    【支援のその後】
    プロボノチームにより制作したパンフレットは団体の定例会で配られ、会員の方から周りに広まり、一般の方からの寄付金も集まっているそうです。結果、取材時点で目標金額の60%程度を達成できています。また、若年性認知症をテーマとした活動団体が少しずつ増えていることを受け、他の団体との連携も進めています。今後、「彩星の会」は定期的に設けている交流や情報交換の場を通して専門家のノウハウを広めたり、若年性認知症の当事者やご家族の悩みを聞いたりしたいと考えています。そして「中長期的に認知症の方もそうでない方も安心して暮らせることを目指したい」と会の代表・森さんは話しています。
    [2019年8月、津田塾大学 森川ゼミ・伊藤(由)ゼミの協力により取材]

    チームメンバー

    アカウントディレクター
    宮崎さん
    プロジェクトマネジャー
    後藤さん
    コピーライター
    高橋さん
    マーケッター
    荘司さん 海老名さん
    グラフィックデザイナー
    熊谷さん
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