日常生活を送るうえで、「ちょっと手助けがほしいな」。そんな経験が誰しもあると思います。「ちょこっと支え合い」は、杉並区の地域包括支援センターケア24が担当するエリアを中心に、日常のちょっとしたお手伝いをしてほしい人と、手伝うボランティアとをつないでいます。提供するサービスは、家庭内の軽作業や買物等の代行、通院・散歩の同行、清掃、雑草駆除、IT操作指導、介護保険認定決定までのサポート…と、高齢の方への支援を中心として、多岐にわたります。
活動開始は、2016年。活動を始めたばかりのころは月に約10件程度だった依頼が、口コミで広がり、2年半後の現在は、月平均60件、年間で760件もの依頼に応えています。どんな方でも気軽に頼めるよう、可能な限り利用料を抑え断らないことをポリシーとしてきました。利用料の半分は、作業料としてボランティアさんにお渡しし、残りの半分が事務局の運営費に充てられています。
初めての依頼者でも安心していただけるよう、ボランティアは顔写真付きのネームカードを提示したり、依頼者それぞれのご事情を汲んで依頼に応えるようにしているそうです。
また、「ボランティアさんが依頼主のところへ行った際に、安心して作業できるように気を付けています」と言う事務局長の井田さん。たとえば、「雑草取り」と言っても、どのくらいの広さ、量なのか、取った雑草をそこでゴミ出しできそうかどうか、依頼主それぞれで事情が異なります。事務局では、「行ってみたら話が違った」、「想定と違った」という事態が起きないよう、必要に応じて電話での確認や下見を行ったうえで、ボランティアの方とつなぎます。
丁寧なコミュニケーションによって信頼を得てきた「ちょこっと支え合い」の活動。人が人を呼んで、依頼は増える一方ですが、担い手は足りていないのが現状。担い手はシニア中心ですが、体調が悪くなり依頼者に回った方もいます。この活動を支え、広げるためにも、まだまだボランティアが必要です。しかし、「ただ作業を手伝ってくれる人を募集する」こととは少し意味合いが違いそうです。
「この活動に参加いただくことよって、ボランティアのみなさんも、これまでにない体験であったり、新しい発見に出会えたり。これから自分がどう生きたいのかを考えるような機会にしてもらえたら」というのが、団体としての思いです。
「ちょこっと支え合い」という、誰でも支える側にも支えられる側にもなる「お互いさま」が実現する仕組み。地域が、いつでも気軽に困った時に支え合えるまちであるために。
今回のプロボノ1DAYチャレンジでは、「この活動は、恩送り。5年後10年後、この地域での自分の暮らしのあり方も変えられる可能性もあるんだよ」という、「ちょこっと支え合い」の活動の根っこにある思いを伝えながら、ボランティアへの参加の流れや活動内容などをわかりやすく表現していきます。
(本記事は2018年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
事前オリエンテーションを実施しました。
質問事項のリストアップを実施しました。
活動体験・現場視察を実施しました。
プロボノワークを実施しました。
成果物の提案を実施しました。
支援先からのフィードバックを実施しました。
成果物の納品を実施しました。
子育て中のママたちで編成されたプロボノチームで行った1DAYプロジェクト。 チーム初めての顔合わせとなったオリエンテーションからの1カ月間は、現場見学や資料収集など当日に向けて事前準備を行いました。
本番当日に行った団体の方々へのヒアリングは、ママたちならではの場づくり力で終始笑顔の和やかな雰囲気ながらも、限られた時間の中で、団体の課題、制作するチラシへの期待といった、重要な要素をしっかりとまとめました。
制作したチラシでは、ボランティア参加までの流れをステップに分けてわかりやすく説明したほか、実際に「ちょこっと支え合い」でどんな風に活動しているのか具体例も掲載。チラシ表面の「ちょこっと新しい自分に出会える場」というメッセージは、お手伝いをするだけではなくボランティアをする側のメリットも感じてもらえるように、との思いを込めました。チラシは団体の方でも情報更新がしやすいようにエクセルデータで作成し、印刷代にも配慮して白黒とカラーの両方のデータを納品しました。