プロジェクト詳細
社会福祉法人いたるセンター 地域ケアセンター サポートウイズ
支援する側の生きがいにもなる「ガイドヘルパー」。5年後に100人を目標に、登録者拡大へ。
障害のある人と一緒に外出して支援を行う、ガイドヘルパー(移動支援従事者)という仕事を知っていますか? ニーズは多様で、買い物や病院への付き添いだけでなく、散歩に行きたい、カラオケで歌いたい、といったリクエストに応え、5〜8時間を一緒に過ごすこともあるといいます。
杉並区の「地域ケアセンターサポートウイズ」(以下、「センター」)では、移動支援サービスを始めて10年目(2018年時点)が経過しました。年に一度、ガイドヘルパー研修を開催しています。修了者は資格を取得でき、同法人にヘルパーとして登録する場合には受講費用も無料です。
現在のヘルパーの登録者数は約60人ですが、同法人の職員以外の一般登録者は20人ほどで、うち半数が60代以上の方々です。その一人である内田修二ヘルパー(写真一番左)も杉並区在住で、センターに掲示された募集を見たことがきっかけで講座を受け、ガイドヘルパーとして活躍することで第二の人生を満喫しています。
内田さんは障害のある人にもわかりやすいように、絵や図で見せることを重視したお散歩用の「カタログ」を自作し、行き先を選んでもらうなど独自の工夫を凝らしています。外出当日の前には必ず本人に会いに行き、不安を減らします。
こうした移動支援サービスでの体験がきっかけで、自分で意思表示ができないと周囲から思われていた人が、自分の意思を伝えられるようになった、というエピソードもあります。
それまでサラリーマン人生を歩んできた内田さんは「障害のある方とのコミュニケーションは、仕事でいかに顧客に寄り添うか、ということにもつながります。生きがいを探しているシニア世代はもちろん、現役のビジネスパーソンもぜひ研修を受けて、ヘルパーとして活躍してほしい。自分のプレゼンテーションスキルも上がりますよ!」と熱く語ります。
しかし、センターでは、今まで会報や施設内の掲示でしか募集してこなかったため、「ガイドヘルパー」の知名度は低いままです。
外出したいという当事者のニーズに対し、今はガイドヘルパーが足りず、すべてのニーズに応えられない状態が続いています。
「内田さんのほかにも、普段は会社勤めをしながら5年以上に渡って月に数回ずつ仕事をしてくださっている現役世代のヘルパーさんがいます。社会的に副業も増えていますから、ダブルワークの選択肢としても認知してほしいです」と、センターの山崎さん。
「障害者の方とどう接したらいいか、わからないという人も多いと思います。コミュニケーションの取り方を含めて、移動支援ということが理解され、偏見を取り払うような機会にもしたい」というセンターの皆さんの思いもあります。
杉並区近辺の環境にも詳しい地元のシニア世代を中心に、現役世代の登録者も増やしていきたい。そのために今回のプロボノプロジェクトでは、多様な働き方といったことも含め、ガイドヘルパーの仕事そのものの魅力が伝わるようなパンフレットを制作します。
(本記事は2018年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- 社会福祉法人いたるセンター 地域ケアセンター サポートウイズ
- 活動開始時期
- 2018/平成30年7月
- 代表者名
- 理事長 谷山 哲浩
- 所在地
- 〒167-0032 東京都杉並区天沼1-15-18
- ホームページ
- http://www.itarucenter.com/10_with/
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進捗率
進捗状況
チーム編成を実施しました。
キックオフ事前ミーティングを実施しました。ママボノチーム7名が揃い、ついにプロジェクトがスタートします!
活動現場見学・体験を実施しました。
キックオフミーティングを実施しました。
対象事業・商品・サービス等の現状把握を実施しました。
個別ヒアリングを実施しました。
ヒアリング以外の調査を実施しました。
収集した情報のまとめと分析を実施しました。
ママボノ成果報告会当日の午前中、最終提案ミーティングを実施しました。 チラシを完成させただけでなく、どのようなターゲットに配布するのが効果的かといった調査も行い、それらを含めチラシの活用方法についても提案を行いました。設置場所の調査をしながら場所の確保することろまで話をすすめてしまうところにはママならではのパワー! メンバーの想いがしっかりと詰まった内容に、団体さんからの力強い「ありがとう」の声を頂き、この場でプロジェクト終了となりました。このチラシが多くの方の目にとまり、ガイドヘルパーになりたいという声がもっともっと増えますように。
成果報告会の同日午後にはママボノ2018成果報告会でのプロジェクト報告を行いました。
提案に対する回答と承認を実施しました。
成果
どんな人に届けたいか、どんな仕事か? 1枚のチラシですぐ理解できるよう、情報の見せ方を吟味。
ガイドヘルパーの仕事に魅力を感じ、実際にヘルパーになりたいと感じてもらうには、どのような情報をどのような優先順位で伝えていけば良いのか。
本プロジェクトで支援を行ったママボノチームでは、ガイドヘルパーさんの活動現場に立ち会い、ガイドヘルプの見学やミーティングの同席などで実感値を得ながら、チラシの目指す方向性を吟味していきました。
どのような仕事内容なのかを事まとめるだけでなく、ガイドヘルパーの仕事がどのような方に勧めたいものなのか等も具体的に明示する事で、ターゲットの手に届きやすいチラシが完成。
また、チームではチラシ制作と併せ、チラシの設置可能場所の調査報告等も含めた、活用提案も実施しました。
団体さんからはたくさんの感謝の声をいただき、完成したチラシは広報誌で紹介されたほか、団体ウェブサイトにもリンクを設け、閲覧できるようになりました。今後も引き続き、広く活用されていくことを期待しています。
【支援のその後】
プロボノプロジェクトでの、ガイドヘルパー求人募集のチラシ作成後、以前よりも問い合わせ件数が増え、ガイドヘルパー研修への受講につながっています。ヘルパー登録者も増えており、チラシによる成果は明らかにありました。しかし、ヘルパーの増加にともない、サービスの提供管理を行う職員の業務負荷を軽減することが課題となってきています。今後は、管理業務を行える職員の数を増やし、利用者のさまざまなリクエストに応えられるヘルパーの支援力アップと相性の良いマッチングを目指す必要があると感じています。また、高齢者を含むさまざまな方が移動支援に参加していただけるような体制も模索中で、最終的には、障害者への偏見や差別の解消をし、包括的な地域福祉の向上に寄与することを目標としています。
[2019年8月、津田塾大学 森川ゼミ・伊藤(由)ゼミの協力により取材]
チームメンバー
- メンバー
- 細川さん 小川さん 黒田さん 佐野さん 志田さん 高山さん 大和さん