プロジェクト詳細
かみすな福祉相談センター
「カフェの店主さん、募集します」団地で広がれ!認知症について思い思いに話せる場。
立川市では、市内6ヵ所の地域包括支援センターに加えて、福祉相談センターという独自の拠点を設置し、地域の介護や福祉サービスに関する相談に対応しています。そのうちのひとつ、昭和記念公園の近く、大山団地の広々とした敷地内の一角にあるのが、かみすな福祉相談センターです。公園や緑の多いゆったりとした区画に、中層の建物が並びます。こうした郊外型団地においては、しばしば高齢化の進展が顕著ですが、ここ上砂町も例外ではありません。
高齢化の進展に伴い、かみすな福祉相談センターでは、5年程前から認知症カフェの開催を始めました。を2016(平成28)年からは隔月、2018(平成30)年からは毎月と、年々開催頻度が高まっています。
開催日時は、第三土曜日の10時から12時まで。前半1時間は、体操や講座などのプログラムが用意され、後半1時間はその場に集まる認知症の本人や家族などが、思い思いのテーマで話をします。前半のプログラムが人を呼び、毎回10〜20人の来場者があり、コンスタントに人が集まる場となっています。
それでも、かみすな福祉相談センターの大石希代子センター長と、職員の折笠佳子さんは、団地における一般的な認知症への理解不足など、地域の課題を口にします。
「住民の皆さんには、まだまだ認知症への理解が行き届いていないところもあるなあと感じます。この団地は、自治会などの近隣のつながりが比較的しっかりしていて、認知症の方に気づく人も多いんです。その反面、認知症だと危ないのではないか、施設に行ってもらった方がいいんじゃないか、と排除するような発想に陥りがちな人もいらっしゃいます」
こうした中で、認知症カフェが地域に根付いていくことは、認知症の当事者や家族だけでなく、近隣の住民の理解を深める機会になると期待されます。
「地域が広くて移動が難しいことも課題です。バス通り沿いはまだ便利ですが、そこからかなり歩く地域もあります。カフェや喫茶店など、普通に集まって、みんなでお茶を飲めるような場所がないこともこの地域の特徴です。きっと、本当はもっと多くの人が、駆け込み寺のような場所を求めているのではないかと思うんです」
認知症カフェの取り組みを継続・拡大するため、かみすな福祉相談センターでは、この認知症カフェを“自主運営化”することを目指しています。その目的は、来場者が自ら認知症カフェの運営の担い手となり、そして、人が人を呼び、まだこの場所に足を運ぶことができていない家族や当事者が集まれる場を広げることにあります。将来的には、28号棟まである大山団地の中で、3〜4棟に1ヵ所程度の認知症カフェが立ち上がることが理想だと言います。
しかしながら、いままさに認知症に悩む人に、カフェの運営の担い手を期待するのは難しいことも事実。そこで、東京ホームタウンプロジェクトでは、認知症カフェの“店主”を募集するという目的に絞ったチラシ・ポスターを作成し、担い手としての関わりに関心を持つ人にストレートに呼びかける、新しい広報の取り組みを提案しました。
認知症サポーター養成講座を受講した人や、認知症の家族の介護経験を持つ人などに働きかけ、かみすな福祉相談センターで開かれる認知症カフェに足を運び、カフェの運営方法を見習っていただきながら、ゆくゆくは近隣の集会所やご自宅などを利用して認知症カフェの立ち上げにつなげていこうというチャレンジ。
出来上がったチラシが、団地や近隣地域に掲示・配布されることで、認知症に対する近隣住民の見る目も少しずつ変わっていく可能性もあります。また、全国各地に数千ヵ所と広がりながら、一般的に、参加者や担い手の広がりが課題と言われる認知症カフェを活性化する試みとして、他地域の参考になるアイデアを生み出すことも見据えながらのプロボノ活動となりそうです。
(本記事は2018年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- かみすな福祉相談センター
- 活動開始時期
- 2009/平成21年6月
- 代表者名
- 大石 希代子
- 所在地
- 〒190-0032 東京都立川市上砂町1-13-1 上砂地域福祉サービスセンター
- ホームページ
- http://www.oheikai.or.jp/publics/index/36/
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進捗率
進捗状況


事前オリエンテーションを実施しました。
質問事項のリストアップを実施しました。
活動体験・現場視察を実施しました。
プロボノワークを実施しました。

成果物の提案を実施しました。

支援先からのフィードバックを実施しました。
成果物の納品を実施しました。
成果
実際にカフェを訪れた人たちの生の声を集め、この活動の魅力を言語化。活動に共感し、運営に関心を持ってもらうための第一歩としてのチラシが完成。

今回プロボノチームは、認知症カフェの"店主"(=運営者)を募集するために、「大空カフェ」の魅力を打ち出したポスターを制作。運営者募集を全面に出すより、「大空カフェ」を知ってもらい、参加してもらうことから始めるべきではないかと考えたプロボノチームは、事前の見学や打合せを通して提案資料を作成、まずはカフェの価値を伝え、足を運んでもらうためのポスターと位置づけ、参加をした人に運営に関心を持ってもらうことを目指しました。
1DAYチャレンジ当日の午前中には、実際の大空カフェが開催されている様子も見学。参加者を惹きつけるものは何か、遠くからでも通ってくる理由は? 見学やヒアリングで聞こえてくる声から、このカフェだからこその魅力を探りました。
認知症カフェという参加をすることに抵抗はないか、どのような言葉にすれば参加したいと思うか、チームは、知恵を出し合いながら、ポスターに載せる言葉をたくさんの参加者の声から抽出。 支援先の方からは、「普段当たり前すぎて気づかないことに、たくさん気づけた一日だった」と感想を頂きました。
チームメンバー
- メンバー
- 伊藤さん 室田さん 小川さん 神田さん 熊谷さん 本田さん 伊藤さん