プロジェクト詳細
特定非営利活動法人トモニ
型にはまらない個性が発揮された手作りボタン
込められた想いを、1枚のチラシで表現したい
立川市で精神障害者の就労、生活支援を行う「特定非営利活動法人トモニ」。代表の細江昌憲(まさのり)さんは元新聞記者です。精神障害者への福祉が遅れている現状を目の当たりにしたことを契機に施設職員に転職、2013年、NPO法人トモニを立ち上げました。
「当時、立川市にあった精神障害者向けの施設は、企業で働くことを目標とした就労支援施設のみ。もっとゆるやかに、まず家から出る、通所してからは自分のペースで作業ができる施設が作りたかった」と細江さんは語ります。
立川駅にほど近い「トモニ」の就労支援B型施設「I'LL(アイル)」は、入口に調理パンなどの販売コーナーがある親しみやすい雰囲気。通所者はサンドイッチやラスクなどの食品と、手芸品などの制作を行っています。
アート活動や丁寧な仕事が得意な通所者が多い中、みんながやりがいを感じているのは手芸品の一つ「ボタン作り」です。
特殊な樹脂「UVレジン」やオーブン粘土、間伐材などを使った作品は「ボタン」の枠を飛び出し、アクセサリー、ステーショナリーとしても楽しめそう。作り手の個性が発揮された、価値ある一点物の作品です。
あるウェブサイトで紹介されたところ、フェアトレード品を扱う会社からポンチョのボタンとして大量注文が来る、遠く香港で販売をする機会を得るなどの反響がありました。
作品に込めた想いがもっと伝われば、携帯ストラップ、キーホルダーといったノベルティーとして大量発注してくれる、企業や団体との出会いもあるかもしれません。
手芸を担当する通所者の現在の工賃は、歩合制で、平均すると1ヵ月500円程度。自分のペースで働きながら作品を生み、やりがいとともに収入増にも繋がったら、こんな嬉しいことはありません。
トモニの活動を地域の中間支援機関として支援する立川市社会福祉協議会の杉本さんは言います。
「トモニさんは、障がい福祉サービス事業とは別に、児童関係団体との交流イベントを設けたり、施設外での食品販売、地元通信高校との協働作品の製作等、地域との結びつきを積極的に構築しようとしています。専門分野のみならず、他分野との懸け橋も意識されているところは、地域包括ケアに必要な視点であり、このプロジェクトを通して、新たな担い手となる力を得られれば」
個性豊かで「かわいい」「きれい」なだけではない、作る人、支える人からのメッセージ。「ボタンに込められたストーリーを、手にした人に伝えていけるようなチラシを制作したい。ぜひ、プロの手を貸してください」
(本記事は2015年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- 特定非営利活動法人トモニ
- 活動開始時期
- 2013/平成25年2月
- 所在地
- 〒190-0011 東京都立川市高松町3-29-15
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進捗率
進捗状況
事前オリエンテーションを実施しました。
チームMTGを実施しました!
商品のボタンをプロボノワーカーも手に取りながら、トモニさんのボタン作りに込められた思いを伺います。
始めはとても緊張されていたトモニさん、プロボノワーカーはリラックスした空間づくりに努めました。ヒアリングが進むと、非常に活発なディスカッションが展開されてきました!
当日オリエンテーションを実施しました。
プロボノワークを実施しました。
成果物の提案を実施しました。
成果物の納品を実施しました。
成果
今回のプロジェクトが、初代チラシ制作への足掛かりに
当初、成果物としてはチラシを制作する予定でしたが、当日に団体の皆さんに対してヒアリングをする中で、団体の求めていることが「形としてのチラシを仕上げること」でなく、「ずっと使えるキャッチコピーを一緒に考えて欲しい」だとくみ取ったプロボノチーム。残った時間は、一緒にそのキャッチコピーを考えることに費やしました。
当初の予定とは異なりましたが、今回の活動を受けて団体側からは「年内に一度初代チラシを制作してみます。私たちだけの視点だけでは、“より良いチラシができる”という期待や心持ちにまで持っていけなかったので、一歩を踏み出す力をいただけたことに心より感謝しています」と嬉しい言葉をいただきました。
【支援のその後】
トモニが作るブローチは、現在KURUMIRU伊勢丹立川店の一角にて販売されています。プロボノチームと作成したキャッチコピーは商品の付加価値となり、以前よりも高い値段かつ良い場所での販売を後押ししました。さらに伊勢丹という場所での販売が利用者の作り甲斐にも繋がっているそうです。しかし、課題もあります。職員はみんな専門領域が福祉であるため、少しでも利用者(トモニで就労支援を受けている精神障害を持つ方)に高い工賃を支払うために販売戦略を考えようとしても、自分たちだけではできないという点です。以前のプロボノ支援では素敵なキャッチコピーを得ることができましたが、今後さらに機会があれば、それを作る根本的なノウハウやマーケティングの方法を職員や利用者みんなを巻き込んだ形で学ぶことができるなど、「継続性」のある支援を期待しているそうです。
[2019年8月、津田塾大学 森川ゼミ・伊藤(由)ゼミの協力により取材]
チームメンバー
- リーダー
- 門脇さん
- メンバー
- 近藤さん 猶原さん 寒河江さん 舛野さん 間多さん 村田さん