プロジェクト詳細
社会福祉法人 楽友会
地域に眠る本当のニーズ、期待とは?
住民のよりどころになる開かれた福祉施設を目指して。
京王線・小田急線多摩センター駅から10分ほど歩くと見えてくる、ひときわ大きな施設。多摩ニュータウン通りに面した小高い丘に建つ「社会福祉法人 楽友会」は、1968(昭和43)年、軽費老人ホーム(以下、軽費)として開設されました。開設当初は多摩市内の別の場所でしたが、1996(平成8)年に現在の場所に移築。今では施設の1〜3階にある軽費だけでなく、5〜7階の特別養護老人ホームの運営、通所介護・訪問介護といった介護サービス、相談事業の提供など幅広く展開しています。
法人の設立から約50年が経とうとしている今、楽友会は転換期を迎えました。
「設立から47年間、今までは高齢者への介護を中心に行ってきました。でも社会福祉法人として、地域社会にもっと貢献できることがあるはずだと。将来的には、地域住民が気軽に相談でき、集い、頼りになるような“コンビニエンスストア的存在”を目指したいんです」
施設の入所者・利用者だけでなく、地域住民全体にとって開かれた法人になりたい。その思いから、楽友会では数年前から近隣の地域の人たちも参加できる活動をいくつか始めました。たとえば、軽費老人ホームでは年に3回の介護予防教室を開催。腰痛・ひざ痛予防の体操と体力測定を行い、理学療法士から個別にアドバイスを提供しています。これまで施設入所者・利用者だけで行っていたコーラス、書道、自彊術(太極拳に似た全身体操)などのクラブ活動も地域住民に開放したほか、月に1度は近隣のクリーン活動も住民と一緒に行っています。
「福祉施設って、一般の方々にとっては入りにくいと思うので、普段から施設に出入りする機会を作ることで身近に感じてもらいたい。施設の入居者・利用者と、地域住民の間に壁をつくらず交流してもらい、お互いに、こんな元気な同世代の人たちがこの地域にいるんだ!と良い刺激になってほしいですね」
7階建ての楽友会の施設内には、ステージ付きのラウンジ、会議室、広い玄関フロアなど、活用可能なスペースが充実。地域のニーズがあればこうしたスペースも近隣住民が利用できるようにしたいし、現在実施している体操教室の回数を増やしたり、ちょっとした買い物ができる機会を作ったり、イベントを開催することもできるかもしれない。楽友会のスタッフ内でもさまざまな案が出ているものの、肝心の「地域住民が本当に求めていることは何か?」がまだつかみきれていないのが現状です。
また、施設のある山王下(さんのうした)地区は多摩市ですが、すぐ隣が八王子市という特殊な立地。そこで、施設を中心とした地域で、多摩市の住民にも八王子市の住民にももっと身近に感じていただけるように、新しい取り組みができないだろうか、とも考えているそう。
どんな施設やサービスが地域の中で不足していて、住民から本当に期待されていることは何か。これまでとは違う、楽友会ならではの新しい地域との関わり方を生み出せないか。本プロジェクトでの地域住民などへのヒアリングや調査を通じ、楽友会が地域で目指すこれからの姿を、見出していきます。
▼楽友会のホームページはこちら
http://www.rakuyuukai.com/
(本記事は2015年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- 社会福祉法人 楽友会
- 活動開始時期
- 1968/昭和43年2月
- 所在地
- 〒206-0042 東京都多摩市山王下1丁目1番地2
- ホームページ
- http://www.rakuyuukai.com/
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進捗率
進捗状況
事務局が楽友会さんを訪問し、ヒアリングを実施させていただきました。
プロボノワーカーによるチーム初顔合わせとなるキックオフ事前ミーティングを実施しました。アカウントディレクターが楽友会さんへ訪問した際伺ったお話をもとに団体やプロジェクト内容の理解を深めました。
楽友会さんとプロボノメンバー初顔合わせとなるキックオフミーティングを実施しました。プロジェクトの目的と今後の進め方の合意を目指す場です。写真は、地域の地図を囲みながら地域事情を伺っているところです。
本プロジェクトは、こちらのメンバーで協働しながら進めてまいります!
活動現場見学・体験を実施しました。
対象事業・商品・サービス等の現状把握を実施しました。
調査方針提案を実施しました。
提案に対するフィードバックと承認を実施しました。
ステークホルダーの皆さまへのインタビュー調査を実施中です。本日は、サロン「まつぼっくりの会」のみなさまにご協力いただきました!
ヒアリング以外の調査を実施しました。
個別ヒアリングを実施しました。
楽友会さんの近隣、そして、ニュータウンの住民のみなさまそれぞれに対して行った多数のヒアリング調査の分析結果をもとに、今後の楽友会さんのサービスや広報のあり方をご提案しました!
楽友会さんからは、「新しい試みに取り組むにも、後押ししてくれるのは地域のみなさまの生の声。ヒアリングで得られた結果とチームの提案を、今後のサービス展開はもちろんのこと、社福として今後できることを今一度職員でも話し合って模索していきたい」と力強いコメントいただきました。
調査報告を実施しました。
報告に対するフィードバックと承認を実施しました。
成果
プロボノチームが集めた「生の声」から高齢者のニーズを整理し、活動の発展につながる提案を実施。
チームメンバーが、合言葉のように大事にしていたことは、地域の高齢者の「生の声」を伝えること。団体側への調査方針提案の際に、その重要性をチーム全員が感じ取っていました。
そこで、地域の高齢者の個別ヒアリングを計画し、全7回、計34名の方からお話を聞かせていただくことができました。
その結果をできるだけ多くわかりやすく伝えられるように分類し、またできるだけ恣意的な要素を含まないように、ヒアリング結果から自然と導き出されるような提案にまとめました。
団体の方からは、「今の枠組みを超えて、地域のニーズに応えようとするときに、後押しとなるのは、やっぱり『生の声』。今まで疑問に思っていた部分と、これから取り組むべきことに対して裏付けができた」との評価を頂くことができました。
【支援のその後】
現在は介護予防について地域の方も参加できる教室や高齢者向けの料理教室の開催などに取り組んでいます。また、専門学校等に法人職員を講師として派遣し介護の仕事を紹介することや大学からの視察団体の受け入れもしています。プロボノプロジェクトの支援内容だったマーケティング調査の結果は新規事業の取り組みに活かされ、順調にいけば来年度(2020年度)その事業が始まります。今後の課題としては、地域のニーズをいかに集積していくか、本当に必要なことはなにかを把握すること。そして、私たちに何ができるのかを含め、課題解決にむけた検討方法などのプロセスを模索しています。
[2019年8月、津田塾大学 森川ゼミ・伊藤(由)ゼミの協力により取材]
チームメンバー
- アカウントディレクター
- 山田さん
- プロジェクトマネジャー
- 角永さん
- マーケッター
- 宮地さん 三雲さん 谷浦さん